ビザスクで「100億円超M&A」手掛けた瓜生氏、NECのCIOに就任。ゴールドマン出身

AI要約

NECは元ゴールドマン・サックス出身の瓜生英敏氏をCIOとして採用した。

瓜生氏はM&Aの経験が豊富で、ビザスクでの買収案件も手掛けたが、特別損失を出す結果となった。

NECは瓜生氏を投資戦略のリーダーとして位置づけ、成長領域への積極的な投資を推進する。

ビザスクで「100億円超M&A」手掛けた瓜生氏、NECのCIOに就任。ゴールドマン出身

NECは6月1日付で、元ゴールドマン・サックス出身の元ビザスクCOO(最高執務責任者)の瓜生英敏氏を役員級のプロフェッショナルCIO(Chief Investment Officer、最高投資責任者)として採用したことを発表した。

瓜生氏は東大大学院卒業後にゴールドマン・サックス証券に入社。約20年間にわたってM&A(企業買収)を手がけ、東芝メモリ(現・キオクシア)の超大型売却をまとめたことでも知られる。

瓜生氏は2021年11月、ビザスクによる米企業コールマン・リサーチ・グループの買収を手掛けた。しかしコールマンの業績が振るわず、ビザスクは2024年2月期の連結決算でのれんを全額減損。145億円の特別損失が発生し、最終損益が126億円の赤字に転落していた。

ビザスクによるコールマンの買収は、買収当時、直近1年間の取扱高はビザスクが約30億円だったのに対し、コールマンは約58億円と約2倍の規模で、「小が大を飲む買収」として注目された。

コールマンの業績悪化の原因についてビザスクは、2022~2023年は米国M&A市場が低調であり、スポットコンサルの市場が停滞していたことを挙げている。

買収後は瓜生氏もコールマンの経営に関わってきた。

ビザスクの端羽英子CEOはNewsPicksのインタビュー記事(2024年4月24日付)で、「買収の契約をした直後に1回、現地に行きましたが、次の出張は2022年の6月でした。これについては、とても反省しています」とコールマンの経営状況の把握ができていなかったと述べている。

瓜生氏は2024年5月31日にビザスク取締役を退任している。ビザスク担当者は「任期満了による退任」と説明した。

一方でNECは瓜生氏の採用について、次のように発表した。

「NECは『2025中期経営計画』において企業価値向上に向け成長領域への積極的な投資を推進しており、瓜生はNECグループ全体の投資戦略の策定やM&Aの案件実行をリードする役割を担います」