JR東日本、「Suicaアプリ」2028年リリース。IDを統合、経済圏拡大へ

AI要約

2033年度を見据えた中長期ビジネス成長戦略を発表。Suicaアプリ(仮称)を創出し、生活シーンにも様々なサービスを提供する。

JR東日本は2033年度を見据え、「Beyond the Border」戦略を発表。Suicaを進化させ、新たなデジタルプラットフォームを構築する。

データマーケティングを活用し、Suica経済圏を拡大。生活ソリューションの収益を2倍にすることを目指す。

JR東日本、「Suicaアプリ」2028年リリース。IDを統合、経済圏拡大へ

2033年度を見据えた中長期ビジネス成長戦略を発表。Suicaを進化させ、移動サービスだけでなくさまざまな生活シーンにつながる「Suicaアプリ(仮称)」を創出。

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は6月4日、2033年度を見据えた中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」を発表した。

 

 人口減少などでマーケットが変化する中、JR東日本はモビリティーと生活ソリューションの2軸による持続的成長を狙う。そのための新たな戦略として、Suicaを進化させ、移動サービスだけでなくさまざまな生活シーンにつながる「Suicaアプリ(仮称)」を創出。デジタルプラットフォームを構築し、Suica経済圏の拡大を目指す。

 

Suicaを生活のデバイスへ進化

 Suicaを移動のデバイスから「生活のデバイス」に進化させ、2027年までにえきねっとやモバイルSuicaなどの各種ID統合でシームレスな利用を可能にする。また、クラウド化による新しい鉄道チケットシステムを開始し、例えば、駅ビルで一定額の買い物をした利用者に、帰りの運賃割引の提供を可能にする。

 

 さらに、2028年度にSuicaアプリ(仮称)をリリースし、利用シーンに合わせたサービスを一括で利用できるようにする。

 

データマーケティングによるビジネス圏の拡大

 今後10年で、チケット・金融・健康管理など新機能を順次追加。Suicaに集まるビッグデータを活用し、移動データをさまざまなリアル・デジタルのサービスと結びつけ、One to Oneのサービス提供を実現する。

 

 デジタルプラットフォーム化したSuicaで提供する体験として、例えば、健康データと改札の連携で健康状態に合わせた食事の提案や、EC購入履歴と駅の改札を連携したタイムリーな配送予約、スケジューラーと連携した出張の手配などを挙げている。

 

 JR東日本はこの戦略で、今後10年で現在のJRE POINT生活圏を拡大したリアル・デジタル双方にまたがる「Suica経済圏」を創出し、10年後(2033年度)における生活ソリューションの営業収益・営業利益を2023年度比2倍にすることを目指す。

 

文● ASCII