ブラックストーンの不動産投資信託、スターウッドの解約制限で打撃

AI要約

ブラックストーンが規模の大きい不動産投資信託であるREITにおいて、ライバル社の厳しい解約制限により影響を受けている状況が明らかになった。

スターウッドの解約制限引き下げと金利上昇による不動産セクターへの投資家影響が懸念されている。

BREITは投資家からの解約請求増加に対応し、純資産の一部を返還する方針を取る一方、スターウッドは解約の上限を引き下げて流動性を確保している。

(ブルームバーグ): 590億ドル(約9兆2000億円)規模のブラックストーンの不動産投資信託(REIT)は、解約についてより厳しい制限を課すライバル社の決定を受け、その影響への対応を迫られている。

3日の株主宛て書簡によると、ブラックストーン ・リアル・エステート・インカム・トラスト(BREIT) の投資家による解約請求は、ライバルのスターウッド・リアル・エステート・インカム・トラストが制限を強化した後、5月に増加した。スターウッドの決定は、金利上昇で打撃を受ける不動産セクターに対する投資家心理をさらに冷え込ませました。

BREITの取締役会は5月、すべての引き出し要求を満たすことができるように、毎月2%という上限を超える請求を受け付けることに同意した。4、5の2カ月でBREITは純資産総額の約4.4%を投資家に返還した。

不動産価値の急落に伴い、不動産投資信託は大きな圧力にさらされている。スターウッド・リアル・エステート・インカム・トラストは先月、流動性逼迫(ひっぱく)に直面し、毎月の解約上限をそれまでの純資産総額の2%から0.33%に引き下げた。

ブラックストーン のジョン・グレイ社長は5月の投資家会議で、スターウッドの動きによりBREIT投資家の資金返還要求が増えたが「2023年初頭に経験したようなことはなかった」と述べた。

BREITの解約請求は2022年後半から高まり始め2%の上限を超えたことから、同年11月以降、同社は換金を制限していた。今年2月には請求額が上限を下回り、請求額全額を返金した。

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原題:Blackstone’s $59 Billion Property Trust Hit by Starwood Fallout(抜粋)

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