ニジェールの仏保有ウラン資産、ロシアが取得目指す-関係者

AI要約

ロシアはニジェールにあるフランス国営企業が保有するウラン資産の取得を狙っている。ロシア国営原子力企業ロスアトムがニジェールの軍事政権と接触し、資産取得を模索している。

アフリカでは軍事政権が台頭し、ロシアとの安全保障関係が強化されている。ロシアはニジェールで鉱業権益を獲得し、アフリカでの存在感を再確立しようとしている。

具体的な資産取得の詳細や条件は未定であり、交渉は初期段階にある。フランスのオラノは協議に関与していないと回答している。

(ブルームバーグ): ロシアはニジェールにあるフランス国営企業が保有するウラン資産の取得を狙っている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

ロシア国営原子力企業ロスアトムは、フランスのオラノが保有する資産の取得を巡ってニジェールの軍事政権と接触した。非公開の情報だとして匿名を条件にモスクワ在住の関係者が述べた。この地域に駐在する西側外交官の1人は、協議では採掘許可が議題の中心だった可能性が高いとの見方を示した。世界原子力協会(WNA)によると、ニジェールは2022年の世界ウラン生産量で約4%を占めた。

アフリカではクーデターで西側諸国に近い指導者が追放され、軍が実権を握るケースが相次いでいる。7月にクーデターが発生したニジェールも含め、これらの軍事政権の間ではロシアと一段と緊密な安全保障関係を築く動きが拡大。ロシアにとっては、鉱業権益を入手する道が開かれた格好だ。ニジェールでは旧宗主国フランスへの根強い不満を利用するなど、ロシアはアフリカで旧ソ連時代のような存在感を取り戻すことを狙っている。

ロスアトムがニジェールでどれくらいの数の資産を求めているのかは不明。在モスクワの関係者は協議は初期段階で交渉の段階にはまだ至っておらず、いかなる条件も決まっていないと話した。

オラノは、ニジェールとロシア側との協議について関知していないとメールで回答した。

原題:Russia Is Said to Seek French-Held Uranium Assets in Niger (1)(抜粋)

--取材協力:Francois De Beaupuy、Katarina Hoije、Ben Bartenstein.

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