とっ散らかった都知事選、これでいいのか?「蠱毒の壺」を生き抜き「神霊」として君臨する候補は

AI要約

2024年の東京都知事選は、候補者が非常に多い印象であり、現在26名の候補者が立候補を予定している。選挙戦は混沌としており、候補者の顔ぶれや主張が非常に多岐にわたっている。

候補予定者の中で、小池知事、蓮舫議員、石丸市長が主要な立候補者として注目されているが、それぞれが過去に関わった問題や疑惑が持ち上がっており、スムーズな選挙戦を展開することが難しい状況にある。

これまでとは異なる新次元の混沌とした都知事選であるが、一つずつ課題を克服していくことで、より整理された状況になる可能性はある。

とっ散らかった都知事選、これでいいのか?「蠱毒の壺」を生き抜き「神霊」として君臨する候補は

 投票日は7月7日、2024年の東京都知事選が、全体的にとてもとっ散らかっている印象だ。告示日は6月20日なので候補者はまだ確定していないが、現時点(5月20日)では26名が”候補者”の候補者となっている。この選挙戦、いったいどうなるのか。(フリーライター 武藤弘樹)

● 「散らかった部屋」然としている 都知事選2024

 まずそれがわかりやすいのは候補者の多さで、2020年の候補者数が22名で過去最多だから、今年の都知事選はそれ以上となる公算が大きい。珍しくグラフなど作ってみたので参照されたい。

 しかし、候補者の多さだけが今回の都知事選のすごみではない。

 候補者の顔ぶれや主張などを見て「これはなんだか大変そうだ」と思える選挙が定期的に行われるのは世の習わしであり、筆者も2021年の千葉県知事選の際、色モノ寄りの立候補者に関する記事を書いたが、今年の都知事選はもう一段階上の次元の「これでいいのだろうか」に突入しそうな模様である。

【参考】千葉県知事選の「奇抜な候補者たち」を振り返る、選挙はこれでいいのか

 https://diamond.jp/articles/-/266728

 さて、新次元に到達しつつあるその都知事選も、ものすごく散らかった部屋がそうであるように、ひとつずつ片付けていけば事態を整理整頓して観じることが可能である。ただ、散らかりすぎていて見た目のインパクトが強く、見た人の思考を一瞬停止させてしまうような混沌があるというだけである。

 では、2024年の都知事選を散らかしている要因は何か。

● 小池・蓮舫・石丸3氏、 それぞれの「傷」

 まずは、候補予定者の主要どころのすっきりしなさである。通常なら票を多く集めるであろうと想定される立候補者が、スネに傷を持つ……とまでは言わないが、「スネに持つ傷を隠している可能性が疑われる」ごとき按配で、どこか釈然としないのである。

 現時点で、都知事選を解説したニュース記事でよく名前が挙がっている候補者は現職の小池知事、立憲民主党の蓮舫議員、それと安芸高田市の石丸伸二市長であろうか。

 まだ正式表明しておらず、最も効果的なタイミングでそれを行うだろうと予想されている小池知事は学歴詐称疑惑の真っ只中であり、蓮舫議員はその点を追及する姿勢を見せているものの、ネット上では蓮舫議員の過去の「二重国籍」や「2位じゃダメなんですか」発言をこする勢力も強い。

 蓮舫議員の出馬表明まで話題をさらっていた”バズる市長”で有名な石丸市長は、居眠り市議を「恥を知れ」と叱ったことなどで知られ、特にSNSで人気が高く、正義の使者然とした出自である。しかし、たとえば「安芸高田市長職を任期途中で辞職して都知事選に立候補することの是非」が取り沙汰されたりもしていて、ちょっとケチがついている状態である。