米国最高裁判事の自宅庭に「逆さまの星条旗」が…!議事堂襲撃事件を裁く判事がトランプ支持者と同じことをしていた衝撃

AI要約

米国最高裁判事の自宅庭に逆さまの星条旗が掲げられたことが報じられ、トランプ支持派の象徴となっている。事件の経緯や最高裁判事のコメントについて解説。

逆さまの星条旗は2020年大統領選敗北を主張するトランプ支持派の象徴であり、議事堂襲撃事件との関連が疑われる。

アリート判事の自宅に掲げられた逆さまの星条旗は、妻が隣人と口論をきっかけにした行為だったが、判事の責任も問われている。

米国最高裁判事の自宅庭に「逆さまの星条旗」が…!議事堂襲撃事件を裁く判事がトランプ支持者と同じことをしていた衝撃

 最近、米国最高裁のサミュエル・アリート判事の自宅庭に星条旗が上下逆さまに掲げられていたことが発覚し、米国社会に衝撃が広がっている。「逆さまの星条旗」は、2020年11月の大統領選で敗れたドナルド・トランプ候補(前大統領)の支持者らが「選挙は盗まれた」と主張する際の象徴的役割を果たしている。

 2021年1月6日、暴徒と化した一部のトランプ支持者らが連邦議事堂を襲撃した事件でも、その現場で逆さまの星条旗が何本か目撃された。アリート判事の自宅庭に逆さまの星条旗が掲げられたのはその襲撃事件から間もないことから、まるで最高裁判事が議事堂襲撃を支持しているかのように受け取られかねない。

 この一件を最初に報じたニューヨークタイムズ紙の記事によれば、アリート判事の自宅庭に逆さまの星条旗が掲げられている事を示す証拠写真が(同判事宅の近隣住民によって)撮影されたのは2021年1月17日。その写真が漸く最近になって同紙記者の手に渡り、スクープとして報じられることになった。

 ●At Justice Alito’s House, a ‘Stop the Steal’ Symbol on Display

 しかし近隣住民によれば、実際には(証拠写真が撮影された)1月17日の既に数日前から逆さまの星条旗がアリート判事邸の庭に掲げられていたという。つまり最初に掲げられたのは、1月6日の議事堂襲撃事件から遅くとも10日以内ということになる。

 同紙記者がアリート判事にメールで事実確認をしたところ、それに対する返事の中で同判事はヴァージニア州にある自宅庭に逆さまの星条旗が掲げられていたことを認めた。が、それは自分ではなく「アリート夫人(自分の妻)によって掲げられた」と述べたという。

 アリート判事によれば、2020年11月の大統領選挙でバイデン勝利が確定した直後、判事の近隣に住む30代の夫婦がこの結果を大喜びすると同時に、権力の座から去り行くトランプを揶揄するような看板を自宅の庭に立てた。

 この看板を偶然見かけたアリート夫人とこの夫婦の間で激しい口論になった。恐らく、これが理由でアリート夫人は年明け後の2021年1月に逆さまの星条旗を庭に掲げたのではないか、という。

 つまりアリート判事の言いたいことは、自宅の庭に逆さまの星条旗が掲げられたのは「選挙が盗まれた」と主張するトランプ前大統領や議事堂襲撃事件などへの支持表明ではなく、むしろ彼の妻が自分と口論した相手(夫婦)への腹いせのためにやった行為に過ぎないということだ。

 しかし仮にそうだとしても(つまり自分の妻が個人的な理由でやった行為だとしても)、アリート判事がそれを容認ないし黙認したことは事実である。また、逆さまの星条旗が「選挙は盗まれた」と主張するトランプ支持派の象徴となっていることをアリート判事が知らないはずがない。

 米国最高裁の判事には(その職務規定として)厳格な政治的独立性と高い倫理基準が求められており、(たとえ百歩譲ってアリート判事の妻がやった行為だったとしても)議事堂襲撃事件直後の「逆さまの星条旗」掲揚は「どう考えても許されない事である」というのが法律専門家の一致した見解となっている。