[独自]尹大統領、当時の国防相に3回電話…海兵捜査団長、電話中に解任

AI要約

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が海兵隊捜査団の「C上等兵殉職事件」の調査結果が警察に移牒された日、直接電話をかけたことが確認された。その後、事件の主要局面ごとにイ・ジョンソプ国防部長官に電話をかけ、関与した疑いが高まった。

尹大統領は電話で、捜査結果の見直しを行うことを決める前に、イ長官に連絡を取る。さらに、尹大統領の怒りを受けて移牒保留の指示が出され、大統領室と国防部の間で通話が行われた。

捜査当局は、尹大統領や関係者がどのような指示を出したかを調査中。事件の処理について検証が進められている。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が海兵隊捜査団の「C上等兵殉職事件」の調査結果が警察に移牒された日、イ・ジョンソプ国防部長官(当時)に3回直接電話をかけたことが、28日に確認された。当時、イ長官は海外出張中だった。尹大統領はそれから6日後にもイ長官に直接電話をかけた。イ長官が該当事件について国防部調査本部で見直しを行うことを決めた前日だった。事件処理の主要局面の度に、尹大統領がイ長官に直接電話した事実が明らかになり、同事件関連の様々な措置に尹大統領が直接関与した可能性が一層高まった。

 ハンギョレが28日に確保したイ・ジョンソプ前長官の昨年7月末から8月初めの通話内訳によると、尹大統領は昨年8月2日午後12時7分、イ長官に自身が検事時代に使っていた携帯電話で初めて電話をかけた。通話は4分5秒間続いた。海兵隊捜査団が「イム・ソングン海兵隊1師団長など8人に業務上過失致死の容疑が認められる」という内容の捜査資料を慶北警察庁に移牒してから17分が過ぎた時だった。

 さらに、尹大統領は昼12時43分(13分43秒間)、昼12時57分(52秒間)にもイ長官に電話をかけた。2回目の電話と3回目の電話の間の昼12時45分、パク・チョンフン海兵隊捜査団長(大佐)は補職解任通知を受けた。イ長官は当時、ウズベキスタンに出張中だった。

 尹大統領は6日後の8月8日朝7時55分にも同じ携帯電話でイ長官に電話をかけ、33秒間通話した。イ・ジョンソプ当時長官が海兵隊捜査団の捜査結果について国防部調査本部で見直しを行うことを決めた前日だった。同日は、尹大統領の夏休みの最終日だったが、ジャンボリーなどの余波で執務室に出勤した初日だった。

 「VIP(大統領)が激怒した」という大統領室国家安保室会議が行われた昨年7月31日、イ長官が大統領室の有線電話からかかってきた電話で、168秒間にわたり通話した事実も確認された。イ長官は昨年7月31日午前11時54分、大統領室の番号「02-800」からかかってきた電話に出て、168秒間通話した。激怒説の発源地である安保室会議は午前11時から開かれ、正午頃に終わった。会議が終わる頃に通話が行われたのだ。イ長官はこの通話が終了してから14秒後の午前11時57分頃、自身の補佐官の携帯電話でキム・ゲファン海兵隊司令官に電話をかけ、「記者会見の取り消しおよび事件の移牒保留」を指示した。尹大統領が「激怒」したことで、大統領室の誰かがイ長官に電話をかけ、この通話後、C上等兵事件を警察に移牒することを保留するよう指示が下されたわけだ。

 ハンギョレが確保したパク・チンヒ国防部軍事補佐官の通話内訳からも、大統領室が介入した痕跡は見られる。パク補佐官は、移牒保留指示が下されてから約2時間後の午後2時7分、イム・ギフン大統領室国防秘書官(当時)と直接電話で話した。尹大統領と国防部長官、国防部長官室と大統領室国家安保室が、C上等兵死亡事件をめぐり直接連絡を交わしたのだ。

 該当通話記録を確保した高位公職者犯罪捜査処は、尹大統領および大統領室の関係者が当時国防部にどのような指示をしたのか、該当指示は適切だったのかなどを捜査している。

ペ・ジヒョン、オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )