「偵察衛星」強行発射も失敗した北朝鮮 正恩氏、今年中に3機の打ち上げ表明、日本政府「さらなる挑発行為」警戒

AI要約

北朝鮮は偵察衛星の発射に失敗し、国際社会の反対を無視して強行したが、飛行中に爆発した。

新型の衛星運搬ロケットに搭載された衛星は、エンジン部分の問題により失敗した。

米国は北朝鮮の発射を複数の国連決議に違反すると非難したが、直接の脅威にはならないとも分析した。

「偵察衛星」強行発射も失敗した北朝鮮 正恩氏、今年中に3機の打ち上げ表明、日本政府「さらなる挑発行為」警戒

北朝鮮の朝鮮中央通信は28日未明、国家航空宇宙技術総局が北西部東倉里(トンチャンリ)の西海(ソヘ)衛星発射場から27日に偵察衛星を発射したが、飛行中に空中で爆発して失敗したと伝えた。北朝鮮は今回、国際社会の反対を無視して発射を強行した。日本政府は27日深夜、全国瞬時警報システム(Jアラート)で発射を速報したが、今後も暴発の可能性もあるとみて厳重警戒している。

同通信によると、偵察衛星は、新型の衛星運搬ロケット「万里鏡(マンリギョン)1―1」に搭載して発射された。失敗原因については、新開発のエンジン部分に問題があったなどとしている。

北朝鮮は昨年5月と8月の衛星打ち上げに失敗し、11月の3回目で成功した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は昨年末の党重要会議で、今年中に3機を打ち上げることを表明し、今回はその一環とみられる。

米インド太平洋軍は27日の声明で、弾道ミサイル技術を使用した発射に踏み切ったとして「複数の国連安全保障理事会決議に対する明白な違反だ」と非難した。米国や同盟国にとって差し迫った脅威にはならないとも分析した。

北朝鮮は27日、6月4日午前0時までの間に「人工衛星」の打ち上げを予告。国際社会の懸念を一顧だにせず発射を強行した。林芳正官房長官は「今後もミサイル発射や核実験実施を含め、さらなる挑発行為に出てくる可能性がある」と指摘。木原稔防衛相は「引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期す」と記者団に語った。