「果物の王様」ドリアンが安値に 中国

AI要約

中国でドリアンが大量に出回り、価格が手頃になっている。

供給過剰による価格崩壊で、昨年比で半値近くになっている。

広西チワン族自治区がドリアンの主要な輸入地として注目されており、中国内での栽培も試みられている。

「果物の王様」ドリアンが安値に 中国

【CNS】「果物の王様」と呼ばれるドリアンが大量に中国の市場に出回り、手頃な価格で売買されている。

 かつて高級果物店や大型スーパーでしか見つけられなかったドリアンだが、今では中国の街中のどこでもみかけるようになった。

 中国南部の広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧市(Nanning)では、ドリアンを積んだ三輪屋台で1斤(約500グラム)当たり19.8元(約427円)で売られていた。

 同市内の果物店では、タイ産高級ドリアンが1斤当たり23.8元(約513円)で売られ、ドリアンが積み上げられたワゴンに人だかりができていた。

 ドリアンはその産地や品種によって大きく価格が異なるが、昨年同時期には1斤当たり約40元(約863円)だったから、今年は半値前後だ。

 複数の果物輸入代理店によると、現在タイ産とベトナム産のドリアンが同時に市場に出回っており、過剰供給になったことが値崩れの要因だという。こうした供給過剰は7月ごろまで続くと予想されている。

 ドリアンの価格が手頃になったことから、広西チワン族自治区では一般家庭で食べられるようになっている。同自治区はドリアンの産地である東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国への最も便利な陸路に位置する。

 広西チワン族自治区は2023年に前年比85パーセント増の87億9000万元(約1897億円)のドリアンを輸入した。東南アジアから中国に輸入されるドリアンが10個あれば、その6個が広西チワン族自治区を経由している計算になる。税関や検疫などの手続き簡素化も輸入増に貢献しているようだ。

 ドリアンは中国でも栽培されるようになってきた。広東省(Guangdong)と海南省(Hainan)での植栽成功に続き、広西チワン族自治区でも栽培が試みられている。品種にもよるが、安定してドリアンが実るまでには5~8年かかるため、中国産ドリアンが潤沢に供給されるまでには、まだ時間がかかりそうだ。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News

※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。