「イラン大統領のヘリ墜落の瞬間」…出回る偽映像200万件
イランのエブラヒム・ライシ大統領のヘリコプター墜落事故に関連した偽情報がネット上で広がった。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では、事故場面と主張された映像や間違った残骸写真が拡散された。
ライシ大統領や同乗者の死亡が確認されたが、一時は生存説も拡散された。
![「イラン大統領のヘリ墜落の瞬間」…出回る偽映像200万件](/img/article/20240521/664bd4890a3bb.jpg)
イランのエブラヒム・ライシ大統領のヘリコプター墜落事故に関連した偽情報がネット上で広がった。
19日(現地時間)、英BBCによると、同日、ライシ大統領の事故のニュースが伝えられた後、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では、「事故場面」と主張した映像が広がった。
この映像には、ライシ大統領が乗ったものだと主張するヘリ1機が山の中腹に墜落し、黒い煙が立ちのぼる姿が映っていた。この日午後6時基準で200万回を超える再生回数を記録したこの映像は、2022年ジョージアで発生したヘリ墜落映像で確認された。
また、ライシ大統領が搭乗したヘリの残骸として広がった写真も2019年モロッコであったヘリ墜落事故関連写真だったとBBCは伝えた。
一時、ライシ大統領が生きているというデマもネット上に拡散した。イスラム革命防衛隊に連携したファルス通信は、X(旧ツイッター)にライシ大統領のヘリが安全に着陸したとし、ヘリの近くに立っているライシ大統領の写真を載せて削除した。
一方、ライシ大統領は前日の19日、北西部の東アゼルバイジャン州で開かれたダム竣工式に参加した後、ヘリでタブリーズに戻る途中、国境地帯の山岳地帯で事故に遭った。
イラン政府は同日、ライシ大統領が死亡したことを公式に確認した。事故ヘリに同乗していたアブドラヒアン外相、東アゼルバイジャン州知事らも全員死亡した。