台湾も少子高齢化、海外労働者受け入れを拡大し新たにインドを対象に…日本・韓国と人材争奪戦

AI要約

台湾は労働力不足を補うため、インドから未熟練労働者の受け入れを拡大。少子高齢化が進み、経済の持続に労働力が不可欠。

現在は東南アジアから70万人以上を受け入れ中。インドも新たな対象となり、人材の確保に注力。

日本や韓国も同様に人材不足に直面し、外国人労働者を積極的に受け入れている。

 【台北=園田将嗣】台湾は少子高齢化に伴う労働力不足を補うため、海外からの未熟練労働者の受け入れを拡大する。現在、東南アジアから70万人超を受け入れており、インドも新たに対象に加える。好調な経済の持続には労働力の確保が不可欠で、同じ課題に直面する日本、韓国との人材の争奪戦になっている。

 台湾は2月、未熟練労働者の受け入れに関する協力覚書をインドと交わした。台湾側が人数や業種を決め、インド側は募集と必要な訓練を行うという。

 台湾の少子高齢化は急激に進展している。人口(約2300万人)に占める高齢者の割合は、2026年に2割を超えると予想される。22年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の推計人数)は0・87で、日本(1・26)よりも低い。

 行政院(内閣)の統計によると、台湾の労働力は約21万8700人が不足し、サービス業や工業分野などで目立つ。台湾ではインドネシア、タイ、フィリピン、ベトナムの低熟練労働者約72万8000人が製造業や家庭内介護などに就き、経済や生活を支えている。

 今後も人材を安定して確保できなければ、台湾経済に影響が出る可能性がある。陳建仁行政院長(首相)は「競争力を維持するため、労働者の送り出し国を増やす必要がある」と指摘する。

 労働力不足は、台湾に限った話ではない。同じく少子高齢化が進む日本や韓国も人材を国外に求めており、競争は激しくなっている。

 外国人労働者の受け入れ政策に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの加藤真主任研究員によると、台湾は昨年6月、製造業の一部で受け入れ枠を増やし、建設業と林業を対象に加えた。技能要件などを満たした労働者には、長期の在留を認めている。

 韓国が受け入れる今年の上限人数は、過去最大の16・5万人を予定する。年収や語学力などを点数化して、一定の点数以上に達した労働者は、永住申請や家族を呼び寄せられる在留資格への変更も認めている。