バイデン氏、中国が「われわれ試している」 クアッド会議でオフレコ発言拾われる

AI要約

バイデン大統領がクアッド首脳会議で、中国の攻撃的な姿勢に言及し、緊張緩和への努力を強調した。

共同声明では中国を直接名指しせず、南シナ海での中国の威圧的な行動に懸念を表明。

クアッドは米中対立ではなく、世界の安全と安定を目指す存在として存続していくとバイデン氏は強調。

バイデン氏、中国が「われわれ試している」 クアッド会議でオフレコ発言拾われる

【AFP=時事】日米豪印4か国の枠組み「クアッド(Quad)」の首脳会議が21日、米東部デラウェア(Delaware)州ウィルミントン(Wilmington)で開かれた。共同声明では中国を名指しすることを慎重に避けたものの、会議中にジョー・バイデン(Joe Biden)大統領がマイクがオンになっているのに気づかず、攻撃的な中国が「われわれを試している」と発言する一幕があった。

 バイデン氏は自身の地元で開催された会議で、オフレコのつもりで「中国は地域全域で攻撃的な行動を続け、われわれを試している」と、日豪印の首脳を前に発言。中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は「国内の経済課題」に注力する一方で、「自国の利益を積極的に追求するために外交的余地を稼ごうとしている」と私見を述べた。

 4月に行った習氏との電話会談など、緊張緩和に向けた米政府の「集中的な努力」が紛争防止に役立っているとも主張した。

 会議後に発表された共同声明は中国を名指しすることなく、東シナ海(East China Sea)と南シナ海(South China Sea)の状況について「深刻な懸念」を表明。南シナ海での「威圧的かつ脅迫的な操船」を非難したが、いずれの国の行動かは明示しなかった。

 日米豪印は会合で、中国への対抗がクアッドの中心的な役割ではないことを示そうと慎重な姿勢を維持していたが、バイデン氏の失言で、そうした努力が損なわれるリスクもある。

 11月の米大統領選に向け、孤立主義を唱えるドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領とバイデン氏の後継者カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領が接戦を繰り広げていることも、クアッドに影を落とした。

 バイデン氏は、政治的状況に関係なくクアッドは存続すると強調。「挑戦は突き付けられるだろうが、クアッドが存在する限り世界は変わる」と、日豪印首脳に語った。【翻訳編集】 AFPBB News