大卒の内定率は5割以下、低学歴だと出世もムリ…中国の若者を苦しめる「激烈・競争社会」驚愕の実態

AI要約

中国の若者が直面する厳しい就職環境について述べられている。大学卒業後のキャリアアップの難しさや競争率の高さが描かれている。

経済成長が鈍化し、若者の失業率が上昇している現状が示されている。

教育水準の向上や将来への不安が中国の若者に影響を与えている様子が描かれている。

大卒の内定率は5割以下、低学歴だと出世もムリ…中国の若者を苦しめる「激烈・競争社会」驚愕の実態

残酷なほど厳しい競争に苛まれ、希望すら持てない――中国の若者を取り巻く環境は過酷だ。「昇龍」と言われた経済大国は、どこへ向かうのか。遠くて近い隣人の素顔を明かす。

「在学中に数十社の面接を受けて、ようやく金融関係の会社に就職することができました。給料は6000元(約12万円)で中国の水準では悪くないものの、週末も出勤しないといけないですし、残業代もほとんど出ない。

それだけならまだしも、理数系の修士号や博士号を持っている社員がゴロゴロいて大卒の学歴では太刀打ちできないため、将来的に管理職に就ける見込みはほとんどありません。

今いる会社を辞めて、修士号を取ってキャリアアップするために大学院入試を受けようかとも思うのですが、毎年400万人以上が受験するので合格率は2割以下。大学受験でも就活でも死ぬほど苦労したのに、この年になってまた受験でつらい思いをするなんて……」

上海市に生まれて、中国国内でも難関として知られる大学を卒業した陳華さん(22歳・女性・仮名、以下同)は、ため息交じりにこう話す。

2010年にはGDPで日本を抜いて世界第2位となり、2040年ごろまでにはアメリカを超えて第1位に躍り出ると見られる中国。この15年ほど順風満帆に成長してきた経済大国に、暗雲が垂れ込めている。2024年1月~6月の実質成長率は前年同期比5%と落ち込み、毎年10%以上の成長が当たり前だった2000年代の勢いはもう見えない。

不景気の割をもろに食っているのが中国の若者たちだ。2023年6月には16~24歳の若者の失業率が20%を突破し、過去最低記録を更新。「より正確に実態を反映する必要がある」という建て前で、翌7月から国家統計局が一時データの公表を取りやめる事態となった。

また2024年の大学生の卒業時点での内定率は50%以下。北京大学などの名門を含む「双一流大学」に限っても60%を下回っていて、9割を越えている日本とは比べものにならない。