フェンシング防具売り支援金に 五輪金のウクライナ女子選手

AI要約

ウクライナ代表のフェンシング選手がパリ五輪で金メダルを獲得し、防具のマスクを売ってウクライナ軍に寄付した

侵攻により生活が大きく変わった選手が、祖国への思いを語る

金メダル獲得を通じて祖国に希望を届けることができたと笑顔で語る選手

 パリ五輪のフェンシング女子サーブル団体で金メダルを獲得したウクライナ代表の1人、オレナ・クラバツカ選手(32)が19日までに共同通信の取材に応じ、五輪で使った防具のマスクを売り、支援金としてウクライナ軍に寄付したと明らかにした。選手にとって最高の舞台に立てたのは国を守る兵士のおかげだとし「愛する祖国と国民の力になりたい」と訴えた。

 ロシアの攻撃が続く出身地、南部オデッサで取材に応じた。侵攻により、練習先をイタリアに移転、オデッサとの間を行き来する生活が始まった。

 故郷への攻撃のニュースに触れる度に心は乱れた。命を奪われた多数のスポーツ選手やコーチの話に触れ、目元をぬぐい悲しみをにじませた。

 金メダルで「祖国に希望を届けることができた」と笑顔も見せた。前線の兵士からの「勇気づけられた」とのメッセージが心に染みたという。

 帰郷後にオデッサ州拠点の部隊を表敬訪問、試合で使った剣を贈った。マスクは8万フリブナ(約27万円)で売却され、今後、道具をオークションに出し、軍を支援する計画を進めている。