金正恩委員長が「対米圧力」…プーチン大統領の側近と会談、崔善姫外相をロシア派遣

AI要約

北朝鮮とロシアの高官級交流が活発化し、両国間の協力強化が進んでいる。北朝鮮の外相や金正恩委員長がロシア高官との会談を重ね、相互安全関係や戦略的協力について話し合っている。

北朝鮮は最近、高濃縮ウラン製造施設の公開や新型ミサイル発射台の公開など、国際社会に対する挑戦を続けており、ロシアとの関係強化を図る一方で、米国などに対する圧力をかけている。

専門家らは、北朝鮮が核実験を含めた強硬な行動を取る可能性も指摘しており、今後の展開に注目が集まっている。

金正恩委員長が「対米圧力」…プーチン大統領の側近と会談、崔善姫外相をロシア派遣

米国大統領選挙が1カ月半後に迫った中、朝ロが高官級交流で公開的な密着を続けている。最近の高濃縮ウラン(HEU)製造施設の公開などもロシアを背にして対米国で優位に立とうとするためという分析だ。

ロシア外務省によると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は17日(現地時間)、ロシア・モスクワを訪問し、ラブロフ外相と会談した。ロシア外務省は「両外相が両国間の包括的戦略パートナー関係を発展させていくことについて意見を交換した」と明らかにした。

これに先立ち北朝鮮労働新聞は16日、崔外相が18、19日にサンクトペテルブルクで開催される第4回ユーラシア女性フォーラムと第1回BRICS女性フォーラムに出席するためロシアを訪問する予定だと報じていた。9月のニューヨーク国連総会に出席しない代わりにロシアが主導する国際会議に姿を現したのだ。

◆金正恩委員長、プーチン大統領の最側近と会談 「相互安全利益守護」

これに先立ち北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は13日、ロシアのショイグ連邦国家安全保障会議書記と平壌(ピョンヤン)で会談した。ショイグ書記はプーチン大統領の最側近だ。

労働新聞は14日、「金正恩同志がわが国を訪問したショイグ同志と会い、相互安全利益を守護するための協同を強化していく問題などで見解が一致した」と伝えた。金委員長は「6月の首脳会談で合意した『包括的な戦略的パートナー関係に関する条約』の精神に合うようロシアとの協力を拡大していく」とも述べた。

ロシア政府も報道資料を通して「今回の会談は今年6月のプーチン大統領の平壌(ピョンヤン)国賓訪問当時に両国指導者が署名した2国間条約の条項を履行するのに重要な寄与をするだろう」と明らかにした。

このようにショイグ書記の訪朝結果に関連し、朝ロ双方が有事の際「迅速にあらゆる手段」で軍事介入する根拠を用意した新しい条約を強調したのが目を引く。来月の北朝鮮最高人民会議第14回第11期会議で新しい朝ロ条約を批准する手続きである可能性もあるからだ。

◆北朝鮮、怪物TEL、濃縮ウラン施設を相次いで公開

このようにプーチン大統領という「安全弁」を確保した金正恩が本格的に米国と国際社会を狙った「オールドプレーブック」を稼働する可能性にも言及されている。北朝鮮は米国の政権交代前後に高強度の挑発で緊張を高めた後、交渉を再開して制裁解除など望むものを要求する様相を繰り返してきたからだ。実際、北朝鮮は今月に入って新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)用途と推定される12軸(24輪)の移動式発射台(TEL)を公開(8日)したのに続き、5日後の13日には大規模高濃縮ウラン(HEU)製造施設を初めて公開した。

特にHEU製造施設は朝米間のジュネーブ合意(1994年)が失敗に終わった背景であり、2019年のトランプ政権との交渉をノーディールにした主な原因だ。北朝鮮がこれを堂々と公開したのは関心を引く性格が大きいというのが国内専門家らの分析だ。ただ、12軸24輪TELの場合、ICBM新型の実物を直接公開したのではないという点で「能力誇示」だけをして程度を調節する意図があるとも考えられる。

これに関し新韓米連合司令官に指名されたザビエル・T・ブランソン陸軍中将は17日、米上院承認公聴会で「北朝鮮は核弾頭装着ICBMの完成のために努力していて、金正恩委員長は米国や国連軍司令部加盟国が朝鮮半島紛争に介入するのを抑止するために核兵器を使用する可能性がある」と明らかにした。続いて「核兵器に対する金委員長の自信が高まり、これを信じてさらに危険な通常兵器軍事オプションを使用する可能性もある」と懸念を表した。

◆金委員長、高強度挑発カードでタイミング狙いか

7回目の核実験の可能性も完全には排除できないというのが専門家らの見方だ。核実験を強行する場合、政治・外交的カードに傍点があるとみる雰囲気だ。ただ、核実験は中ロも北朝鮮を一方的に擁護することができない高強度の挑発となる。金委員長としてはプーチン大統領との関係でも亀裂を覚悟しなければならない。

朴元坤(パク・ウォンゴン)梨花女子大の教授は「金委員長は米国の民主党と共和党の大統領選挙政策綱領から北朝鮮非核化関連内容が消えたのをみて、この際、事実上の核保有国の地位を固めるために核能力を引き続き誇示する可能性がある」と分析した。