俳優のAI複製、作成に制限 肖像権保護法が成立 米加州

AI要約

カリフォルニア州でAIを使用した俳優らの複製作成を制限する州法が成立

肖像権を保護するための義務付けや遺産管理者の同意なしに商業利用を禁止

俳優らの権利保護の必要性が高まり、生成AIの活用が争点となる

 【シリコンバレー時事】米カリフォルニア州で17日、人工知能(AI)などの技術を使って、俳優らの容姿や声に似せた創作物を作ることを制限する州法が成立した。

 ニューサム知事が二つの関連法案に署名した。肖像権を保護するため、AIで俳優らの複製を作成する場合は、あらかじめ契約に明記することや、俳優らが代理人を雇って交渉することを義務付けた。

 また、故人の場合は遺産管理者の同意なく、映像作品や音声などを商業利用することを禁じた。

 生成AIの登場で、文章だけでなく静止画や動画、音声を簡単に作れるようになり、俳優らの権利保護の必要性が高まっている。

 米オープンAIの「チャットGPT」の音声対話機能を巡っては、使われた声が女優のスカーレット・ヨハンソンさんに似ているとの指摘が殺到。同社は別人の声だと釈明したものの、提供開始を1カ月遅らせた。

 昨年、ハリウッドの俳優らが断行したストライキでは生成AIの活用が争点となり、労使合意で製作会社側に俳優の同意取り付けと、公正な対価の支払いが義務付けられた。俳優らが加入する組合トップで女優のフラン・ドレシャーさんは「州や知事の支援は、われわれの姿形を守るものだ」と、法律成立を歓迎した。