米ワシントン州で死刑執行室が閉鎖へ、冤罪と執行人の負担案ずる元刑務官の思い
米ワシントン州立刑務所で、同州に唯一残る死刑執行室が閉鎖される。
1904年から2010年まで78人の死刑が執行され、全員が男性だった。
元刑務所長で死刑制度廃止運動家のリチャード・モーガン氏は、政府が人の処刑に関わることを行き過ぎだと述べ、死刑制度廃止の決定を歓迎した。
ワシントン州の死刑制度に疑問を投げかける声が高まり、元知事の猶予措置を経て、最終的に死刑法が違憲とされ、2023年に州法から死刑が完全に削除された。
死刑制度廃止により、ワシントン州は重要な一歩を踏み出し、司法制度の欠陥や無実の死刑囚への懸念に対処する姿勢を示した。
米ワシントン州立刑務所で、同州に唯一残る死刑執行室が9月18日に閉鎖される。同州ワラワラにあるこの刑務所では1904―2010年に78人の死刑が執行された。州の元矯正局長で、死刑執行を監督していたリチャード・モーガン氏は「誰かに、人を殺すよう指示するのは行き過ぎている」と死刑反対運動を続けてきた。「誰かの処刑に関わり、後になって処刑されるべきではなかったと判明することほどひどい悪夢はない」と語り、同州での死刑廃止を喜んだ。
米ワシントン州立刑務所で、同州に唯一残る死刑執行室が閉鎖される。
同州ワラワラにあるこの刑務所では1904―2010年に78人の死刑が執行され、全員が男性だった。
「死刑は一般的に、公務員には荷が重すぎる」
州の元矯正局長で、死刑執行を監督していたリチャード・モーガン氏。後に、州内で死刑制度の廃止運動に参加した。
「私は、この責務を果たす義務がある人たちのケアを行っている。
誰かに、人を殺すよう指示するのは行き過ぎている。
私は死刑廃止を求めるワシントン連合の理事を務め、この瞬間を迎えるため努力してきた。とても嬉しい」
モーガン氏は2010年に刑務所長の職を正式に退いたが、死刑に反対する発言を頻繁に行い、刑務所に関するさまざまな役職に復帰している。
「司法制度は人間が作ったもので、欠陥がある。
無実の人が刑務所に入れられ、有罪判決を受け、死刑を宣告されることもある。
誰かの処刑に関わり、後になって処刑されるべきではなかったと判明することほど、ひどい悪夢はない」
2014年、インスリー州知事は最初の任期中に、自身の元に届いた死刑判決全てに猶予を与えると発表した。
4年後、同州の最高裁は州の死刑法が違憲だとの判決を下した。
同法は依然として施行されていたが、2023年4月に知事が上院法案に署名し、死刑を州法から削除。ワシントン州で正式に死刑が廃止された。