「台湾有事」衝撃の結果予測!唐突すぎる「方針転換」に相次ぐ怒りの声「聞いてない」

AI要約

米国の有力シンクタンクが2026年の中国による台湾侵攻シナリオを想定し、ウォー・ゲームを実施。結果は中国の失敗だったが、日米も多大な被害を被る可能性がある。

日本は存立危機事態と認定すれば、直接攻撃を受けていなくても総理大臣が自衛隊に防衛出動を命令可能。政府が台湾有事をそのような事態と判断する可能性も示唆されている。

日米安全保障において、日本がどのような立場に立つかが注目される中、政府の巧妙な策略や法制度の影響が明らかにされる。

「台湾有事」衝撃の結果予測!唐突すぎる「方針転換」に相次ぐ怒りの声「聞いてない」

知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化していた日本

日本にとっての「最悪のシナリオ」とは?

政府による巧妙な「ウソ」とは一体…?

国際情勢が混迷を極める「いま」、知っておきたい日米安全保障の「衝撃の裏側」が、『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。

※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。

アメリカの有力シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は2022年、中国が2026年に台湾への侵攻作戦を実行すると想定し、安全保障や軍事の専門家を集めて本格的なウォー・ゲーム(戦争のシミュレーション)を実施しました※1。

結果は、米国が直接介入せず台湾が単独で防衛を行う場合と、日本が中立を保ち在日米軍基地を台湾防衛作戦のために使用するのを拒否した場合をのぞき、中国の台湾侵攻作戦は失敗に終わりました。

このウォー・ゲームのシナリオでは、中国の侵攻は台湾への大規模な空爆で始まります。空爆により、台湾の空軍と海軍は数時間で壊滅的な被害を受けます。中国海軍は台湾を包囲し、中国本土の強力なロケット軍(ミサイル部隊)の支援を受け、米軍の艦艇や航空機の台湾への接近を阻止します。その上で数万人の中国兵が上陸用舟艇などにより台湾海峡を横断し、台湾への着上陸を試みます。

しかし、待ち構えた台湾陸軍が上陸地点に激しい攻撃を加えるとともに、米軍も自衛隊の支援を受けながら長射程ミサイルなどで中国軍の上陸部隊を攻撃した結果、中国軍は上陸および前進を阻まれます。中国軍が在日米軍基地や洋上の米軍艦船などを攻撃してもこの結果は変わらず、大半のケースで中国軍の侵攻は失敗に終わったといいます。

ただし、米国と日本は艦船数十隻、航空機数百機、兵士数千人を失うなど甚大な被害が生じたことから、「台湾防衛には高いコストがかかる」とも指摘しています。

このウォー・ゲームの基本シナリオでは、日本が参戦するのは在日米軍基地や自衛隊の基地が攻撃を受けてからとされています。しかし、日本が直接攻撃を受ける前に参戦する場合もあり得ると述べています。

現行法において、日本が「参戦」、つまり武力の行使ができるのは、内閣総理大臣が自衛隊に「防衛出動」を命令した場合だけです。

「防衛出動」の発令は、かつては日本が直接武力攻撃を受ける「武力攻撃事態」に限られていましたが、2015年に成立した「平和安全法制」により、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」(存立危機事態)でもできるようになりました。

日本政府が台湾有事を存立危機事態と認定し、総理大臣が自衛隊に防衛出動を命令すれば、日本が直接攻撃を受けていない段階から「参戦」が可能となります。

実際、2021年7月、当時副総理兼財務大臣だった麻生太郎は「台湾で大きな問題が起きると、間違いなく『存立危機事態』に関係してくると言っても全くおかしくない。そうなると、日米で一緒に台湾を防衛しなければならない」と発言しています。

※1 このウォー・ゲームの結果については、CSISが詳細な報告書を公表している。