イギリス近衛兵の“黒い帽子”がピンチ 殺されたクマの毛皮を使用 価格上昇、動物愛護団体はフェイクファーへの切り替えを訴え

AI要約

イギリスの王室を警護する近衛兵の帽子について、価格上昇や動物愛護団体の反対など論争が巻き起こっている。

カナダの黒クマの毛皮が使用されている帽子は、伝統を重んじる一方で動物愛護の観点から問題視されている。

国防省は安全性や耐久性を満たす人工のフェイクファーの使用も検討しており、カミラ王妃も毛皮の使用をやめる方針となっている。

イギリス近衛兵の“黒い帽子”がピンチ 殺されたクマの毛皮を使用 価格上昇、動物愛護団体はフェイクファーへの切り替えを訴え

イギリスの王室を警護する近衛兵。その欠かせない“ある部分”が今ピンチを迎えている。

近衛兵の特徴は、頭の倍近くある黒い帽子。

ピンチになっているのは、この帽子。

イギリス観光のシンボル的存在である近衛兵たちがかぶる帽子は、実はクマの毛皮でできている。

イギリス国防省によると、カナダの黒クマの毛皮が使われているが、その価格が“契約の変更”で上昇していて、2022年は約29万円だったものが、2023年は約38万円になった。

動物愛護団体によると、国防省はこの9年間で700個以上の帽子を発注し、購入金額は1億8000万円にのぼるという。

動物愛護団体は、「殺されたクマから作られた帽子に税金を使うのはやめて、今すぐ人工のフェイクファーに切り替えるべきだ」と訴え、論争が巻き起こった。

イギリスを訪れていた人々は「毛皮の帽子のために特別に殺されているのでなければ、特に大きな異論はないです。伝統だからいいと思うよ」、「帽子のために動物が死ぬんだから、それはよくないですね」、「伝統を続けることは重要だよ、でも環境に配慮して本物のクマの毛皮を使うのをやめることも重要だと思うね」などと声が聞かれた。毛皮を輸出しているカナダからロンドンに来ていた人に聞くと、「やはり本物じゃなきゃね。カナダではクマはどこにでもいます」と話していた。

国防省は、FNNの取材に「使用されているクマの毛皮は、合法的に許可された狩猟の結果作られた産物であり、調達の数を減らしても、カナダでとられるクマの数は減らない」としている。

こうした論争のさなか、イギリスのメディアでは、2024年になって、カミラ王妃が毛皮の使用をやめ、人工のフェイクファーを使うようになったと報じている。

国防省は、「安全性や耐久性など必要な条件を満たすものがあれば、フェイクファーの使用を検討することは可能」としている。

(「イット!」9月13日放送より)