「ミサイル列島」と化した日本を待ち受ける「最悪のシナリオ」が残酷すぎる

AI要約

日本が米国のミサイル基地化している現状と政府の計画について明らかにされる。

防衛省が全国的に大型弾薬庫を新設・増設する計画を進めており、ミサイル保有数が増加する見込み。

日本列島がミサイル列島になる恐れがあり、将来的には約130棟もの弾薬庫が設置される予定。

「ミサイル列島」と化した日本を待ち受ける「最悪のシナリオ」が残酷すぎる

知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化していた日本

日本にとっての「最悪のシナリオ」とは?

政府による巧妙な「ウソ」とは一体…?

国際情勢が混迷を極めめる「いま」、知っておきたい日米安全保障の「衝撃の裏側」が、『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。

※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。

ミサイルをめぐる動きは、米軍との共同訓練だけではありません。日本政府が今まさに計画している大型弾薬庫の全国的な増設は、ミサイルの大量保有を意味します。

防衛省は2023年度、大分県の陸上自衛隊大分分屯地(大分市)と青森県の海上自衛隊大湊(おおみなと)地方総監部(むつ市)で新たな弾薬庫の建設工事に着手しました。

大分では、分屯地内の山にトンネルを掘り、ミサイルを保管する大型弾薬庫を9棟も新たに造る計画です。防衛省は、スタンド・オフ・ミサイルも保管できる弾薬庫と説明しています。

スタンド・オフ・ミサイルとは、敵の脅威圏外から攻撃できる長射程のミサイルのことで、2024年現在三菱重工などが開発を進めています。防衛省はこれを最終的に1000発以上保有する方針です。「反撃能力」の保有を決めた2022年12月の「安保三文書※1」の閣議決定により、敵国領土内の軍事施設などへの攻撃に使用することも可能になりました。

最も早く完成する予定なのが、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾の射程を現在の約200キロから約1000キロに延ばした「能力向上型」で、2025年度からの配備が計画されています。大分分屯地に新たに建設する9棟の大型弾薬庫にも、このミサイルが貯蔵されると思われます。

防衛省は2024年度、大分分屯地の他にも、沖縄本島の沖縄訓練場(沖縄市)、奄美大島の瀬戸内分屯地(瀬戸内町)、宮崎県のえびの駐屯地(えびの市)、京都府の祝園(ほうその)分屯地(精華町)、同じく京都府の海上自衛隊舞鶴基地(舞鶴市)などでも大型弾薬庫の新設・増設に着手します。

私が住む神奈川県には、海上自衛隊と在日米海軍の最大拠点である横須賀基地(横須賀市)があります。ここでは一足早く2022年に新たな大型弾薬庫が2棟完成しました。

海上自衛隊も、米国から400発購入する巡航ミサイル「トマホーク」(射程1600キロ以上)の配備を2025年度から開始する計画です。横須賀基地はトマホークを搭載するイージス艦の母港となっており、この大型弾薬庫にも同ミサイルが貯蔵される可能性があります。

防衛省は、2032年頃までに全国で約130棟もの弾薬庫を増設する方針です。日本列島は「ミサイル列島」と化すことになります。

※1 国の外交安全保障政策の基本方針を定める「国家安全保障戦略」、同戦略に基づき防衛の目標及びそれを達成するためのアプローチと手段を示す「国家防衛戦略」、保有すべき防衛力の水準と中長期的な整備計画を示す「防衛力整備計画」の3文書を指す。