中国の秦剛前外相、外務省傘下の出版社に配属か 米紙報道も報道官は「把握せず」

AI要約

米国の元外交官である秦剛氏が中国外務省傘下の出版社に配属されたことが報じられた。配属は昨年春頃であり、秦氏は下級の仕事を担当しているとされている。

秦氏はかつて外相を務めていたが、昨年7月に解任された。解任理由は明らかにされておらず、彼のその後には諸説が飛び交っている。

現在、外相職は王毅共産党政治局員が兼任しており、秦氏のキャリアは急速に終わったとみられている。

【北京=三塚聖平】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は8日、昨年7月に外相職を解かれた秦剛氏が中国外務省傘下の出版社に配属されたと報じた。米国の元当局者2人の情報によるとしている。同紙は、秦氏が出版社で「名目上、下級の仕事を割り当てられている」と伝えているが、業務の詳細や配属の経緯などには触れていない。

同紙によると、出版社は外交や国際関係の書籍などを扱っている「世界知識出版社」で、秦氏は今年の春頃に配属された。元当局者は、降格人事だとの見解を示すとともに「刑務所には行かないが、彼のキャリアは終わった」と語ったという。

中国外務省の毛寧報道官は9日の記者会見で、ワシントン・ポストの報道について「そうした状況は把握していない」と述べるにとどめた。

秦氏は2022年12月に56歳の若さで駐米大使から外相に就任。その後、国務委員(副首相級)も兼任するスピード出世を遂げたが、動静不明の末に昨年7月に外相職を解かれた。中国政府は解任理由に関する説明を避けており、秦氏のその後を巡っては投獄や死亡説といった憶測も飛びかっている。

秦氏の外相解任後は、その前任で外交担当トップに昇格した王毅共産党政治局員が外相職を兼任している。