越境攻撃下のクルスク州知事選で与党側勝利 プーチン政権、ロシア統一地方選で「圧勝」演出

AI要約

ロシア統一地方選は8日、3日間の投票が締め切られ開票された。ウクライナ軍の越境攻撃が続く西部クルスク州の知事選で、統一ロシアが勝利。選挙実施により国内が「平時」であることをアピール。

実施された21自治体の首長選で統一ロシア系候補が全て勝利。モスクワ市議会選や地方議会選でも同党が圧勝。

主要野党が弱体化し、反体制派の出馬は規制され、軍事作戦の是非が争点とされない中、プーチン政権は勝利を収める。

越境攻撃下のクルスク州知事選で与党側勝利 プーチン政権、ロシア統一地方選で「圧勝」演出

ロシア統一地方選は8日、3日間の投票が締め切られ開票された。タス通信などによると、ウクライナ軍の越境攻撃が続く西部クルスク州の知事選で、プーチン政権の与党「統一ロシア」が擁立したスミルノフ知事代行が約65%を得票して勝利した。投票率は61%超。州の一部が占領されている中でも選挙を実施することで、国内が「平時」であることをアピールする狙いとみられる。

首長選では、選挙が実施された21連邦構成体(自治体)の全てで統一ロシア系候補が勝利した。同党は20構成体に候補者を擁立し、候補者を立てなかった極東ザバイカル地方では支援した現職知事が再選された。

統一ロシアは首都モスクワの市議会選で45議席中38議席を獲得。13構成体の地方議会選で計659議席中545議席を制した。

プーチン政権は統一ロシアの「圧勝」で、対ウクライナ軍事作戦が幅広い国民に支持されているとして改めて正当化しそうだ。

ただ、ロシアでは主要野党が政権に迎合的な「体制内野党」と化し、反体制派の出馬は規制されている。軍事作戦の是非も選挙の争点とされなかった。

クルスク州では特例措置として8月下旬から期日前投票が開始された。ウクライナ軍の占領地域にある州内の自治体では区長選などが延期された。(小野田雄一)