マカオ、カジノ従業員が会員制度の不備突き客のアカウントから食事券詐取

AI要約

マカオのカジノ施設で起きたギフト詐取事件の詳細が明らかになった。

犯人は会社のパソコンを使用し、客に知られず食事券を詐取、転売していた。

被害総額は86万円近くに上り、詐欺事件が明るみに出た。

マカオ、カジノ従業員が会員制度の不備突き客のアカウントから食事券詐取

 マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会することでテーブルゲームやスロットマシンでのベット額などに応じてポイントが貯まり、貯まったポイントをホテル宿泊券、食事券、フェリーチケットなどのギフトと交換することができる。

 極めて稀なケースではあるが、これに絡む不正も発生している。

 マカオ司法警察局は9月5日、カジノ会員向けのキャンペーンでギフトとして客に提供していた食事券を詐取したとして、コタイ地区にあるIR(統合型リゾート)併設カジノのマーケティング部門に勤務するマカオ人の男3人を相当巨額サイバー詐欺罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 同局によれば、前月(8月)13日、当該カジノ施設から通報があり、捜査を進めていた事案とのこと。当該カジノ施設では、1日あたりのベット額が一定基準を超えるカジノ客に対し、ポイントを差し引かずに食事券を贈呈するキャンペーンを行っていたが、容疑者らは制度上の不備を突き、勤務時間中に会社のパソコンを使って基準に達した客を探し、客が知らない状況下で食事券をプリントアウトし、他人に転売していたことが判明。客にとってはポイントが引かれず、会社のシステム上でも客がギフト交換したように見えるため、発覚しにくかったという。

 容疑者3人は上記の手段で食事券を154枚詐取した上、このうち1人がまとめ役となり1枚あたり200香港ドルで転売し、利益を仲間と分け合っていたとのこと。カジノ施設側の調査で、詐取された食事券のうち138枚がすでに使用されたことがわかり、被害報告額は4万8150パタカ(日本円換算:約86万円)に上ったとした。