違法な入植がなぜ相次ぐのか……ヨルダン川西岸で「前哨地」急増の仕組み BBC調査報道

AI要約

パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区でのイスラエルの入植者による不法行為が急増していることが明らかになった。

前哨地の設置により、入植者は土地を収用し、パレスチナ人に暴力や脅迫を行っている。

国際シオニスト機構が前哨地の設置を支援しており、イスラエル政府との関係が浮き彫りになっている。

違法な入植がなぜ相次ぐのか……ヨルダン川西岸で「前哨地」急増の仕組み BBC調査報道

イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で暮らしていたパレスチナ人のアイシャさんは、昨年10月にイスラエルの入植者に銃を突き付けられ、50年間住み慣れた土地を離れるように言われたという。

BBCアイ(調査報道チーム)の取材により、入植者たちが作る「前哨地」が、ここ数年で急増していることが明らかになった。

BBCの分析では、西岸地区には少なくとも196カ所の前哨地が作られており、うち半数が2019年以降に設置されている。

前哨地はイスラエルの国内法でも、国際法でも違法だ。

しかし今回の調査では、イスラエル政府と緊密な関係を持つ「国際シオニスト機構」が、前哨地を作る資金や土地を斡旋(あっせん)していることが明らかになった。

専門家らは、前哨地を作ることにより、入植者らが広大な土地を急速に収用しているほか、パレスチナ人への暴力や脅迫も増えていると指摘している。

BBCは今回、アイシャさん一家を追い出したとされるモシェ・シャルヴィット氏という入植者にも取材を行った。