【英国】英経済、130億ポンド縮小か 石油・ガス企業への増税が裏目に

AI要約

英国の業界団体オフショア・エナジーズUK(OEUK)は、政府が石油・ガス企業に対する増税に踏み切ると、英経済が約130億ポンド縮小し、石油・ガスの生産量も落ち込むと試算している。

政府の増税策により、石油・ガス企業への投資が激減し、長期的には歳入が減少する見通し。雇用にも影響が及ぶと予測されている。

OEUKは増税がすべて実施されれば、英領北海での投資が大幅に減少し、税収も27年以降減少するとの見方を示している。

 英国の業界団体オフショア・エナジーズUK(OEUK)は2日、政府が石油・ガス企業に対する増税に踏み切れば、英経済は2025~29年に約130億ポンド縮小するとの試算を明らかにした。投資の激減が見込まれるためで、長期的には石油・ガスの生産量の落ち込みにより歳入が120億ポンド減少するとしている。

 政府は7月末、石油・ガス企業の利益に対する超過利潤税の税率を現行の35%から38%に引き上げると発表した。11月1日から実施する予定で、石油・ガスの上流事業への基準税率は75%から78%に上昇する。また、超過利潤税の適用期限を29年3月末から30年3月末に延長するほか、超過利潤税での29%の投資控除も撤廃する。

 OEUKは、これらの増税がすべて実施されれば、25~29年の英領北海での投資は現在計画されている141億ポンドから23億ポンドに激減すると予想。これにより、約3万5,000人の雇用に影響が及ぶという。また、税収は一時的には増えるものの、27年以降は減少に転じるとの見方を示した。

 OEUKのデービッド・ホワイトハウス最高経営責任者(CEO)は、「英国の石油・ガス企業は過去2年以上にわたり、通常の企業の約3倍の税負担を強いられている」と指摘。政府に対し、これらのデータを踏まえた上で、10月30日に発表する秋季予算案を見直すよう求めている。

 英領北海での石油・ガスの生産量は、2000年代初めの日量440万バレルから130万バレルまで落ち込んでいる。