マカオの2024年7月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が4.7%に、上昇続く

AI要約

マカオ政府金融管理局が2024年7月の貨幣・金融統計を公表。M1とM2の増加、預金残高の動向、融資額の変化などが報告された。

マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルなど複数通貨が使われ、不良債権比率が上昇していることが示された。

預貸率、流動資産対負債比率などのデータも公表され、金融市場の動向を把握する上で重要な情報となっている。

マカオの2024年7月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が4.7%に、上昇続く

 マカオ政府金融管理局は9月2日、今年(2024年)7月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】

 流通貨幣が前月から0.2%増、通知預金が1.0%増となり、M1は0.8%上昇。また、準通貨負債は1.8%増。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は1.7%の上昇に転じ、金額は7643億マカオパタカ(日本円換算:約13兆9293億円)に。前年同月との比較では、M1が3.8%下落、M2が5.3%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.2%、香港ドルが44.9%、人民元が6.8%、米ドルが13.7%。

【預金】

 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高が前月から1.8%上昇の7433億マカオパタカ(約13兆5466億円)、非居民による預金残高は1.5%下落の3386億マカオパタカ(約6兆1710億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高が4.8%減の1936億マカオパタカ(約3兆5284億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は0.2%下落の1兆2754億マカオパタカ(約23兆2441億円)で4ヶ月ぶりマイナスに。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ19.8%、43.2%、8.7%、26.7%。

【融資】

 地元民間部門への融資は前月から0.7%減の5287億マカオパタカ(約9兆6355億円)。対外民間部門への融資は4.3%下落の5297億マカオパタカ(約9兆6538億円)。民間部門へ融資額は合計で2.5%減の1兆0584億マカオパタカ(約19兆2893億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ21.1%、44.2%、12.2%、19.2%。

【預貸率/不良債権比率】

 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年7月末時点で前月末から0.4ポイント下落の56.4%。非マカオ居民含む総体預貸率は2.0ポイント下落の83.0%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ65.7%、59.7%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の4.7%に。このところ不良債権比率は上昇が続いている。