イスラエル全土で大規模デモ、ガザ停戦合意を要求 人質6人死亡で憤り噴出

AI要約

イスラエル全土でパレスチナ自治区ガザ地区の停戦と人質解放を求める抗議デモが行われ、70万人以上が参加。ネタニヤフ政権に国民の憤りが高まっている。

テルアビブやエルサレムでの抗議デモでは数十万人が参加し、警察との衝突や逮捕者も発生。人質家族たちも政府に早期解決を訴えている。

イスラエル軍がガザ地区で発見した6人の遺体から、人質が銃撃されて死亡していたことが判明。首相の辞任要求や交渉の遅れに対する批判が広がっている。

イスラエル全土で大規模デモ、ガザ停戦合意を要求 人質6人死亡で憤り噴出

(CNN) イスラエル全土で1日、パレスチナ自治区ガザ地区の停戦と人質解放の合意を求めて少なくとも70万人が抗議デモを展開した。これに先立つ8月31日、イスラエル軍はガザ地区で人質になっていた6人の遺体を発見して収容。人質解放の合意を成立させなかったネタニヤフ政権に対する国民の憤りが噴出した。イスラエル最大の労働組合も2日から全土でストを呼びかけている。

テルアビブでは1日の抗議デモに主催者の推定で55万人が参加した。昨年10月7日に戦争が始まって以来、最大規模。高速道路を封鎖したデモ隊に対して警察が放水したり、道路に座り込んだデモ隊を強制排除したりする場面もあった。

イスラエル警察はテルアビブで29人を破壊行為や警官襲撃などの疑いで逮捕したと発表した。警察官1人がデモ隊と衝突して負傷し、意識を失って病院に運ばれた。

エルサレムでも1日、閣議が開かれている首相府前に人質の家族など数百人が集まって抗議運動を展開した。デモ隊は旗を振ったり人質の写真を掲げたりして、今すぐ交渉を成立させて人質を取り戻すよう訴えた。

人質6人が死亡した責任はイスラエル政府にもあるとデモ参加者は訴えている。ヘブライ大学の教授は「一義的な責任はハマスにある。だが、そうすべき時に必要な行動をしなかった(政府にも)責任がある」と主張。別の参加者の男性は、ネタニヤフ首相の辞任を要求した。

イスラエル軍の発表によると、6人の遺体はガザ南部ラファの地下トンネルで31日に発見し、収容した。ハマスが人質を殺害したとイスラエル軍は主張している。この6人の中には米国人男性のハーシュ・ゴールドバーグ・ポリンさん(23)も含まれていた。

イスラエル保健省は1日、検視の結果、6人の人質は至近距離から銃撃されて死亡していたことが分かったと発表した。死亡時刻は発見されるおよそ48~72時間前の8月29~30日と推定している。

イスラエル当局者がCNNに語ったところによると、遺体が収容された6人のうち、ゴールドバーグ・ポリンさんなど3人は、停戦交渉が成立すれば第1段階で解放されるはずだった。当局者は「我々の首相がそれを遅らせた。この6人にとっては手遅れになった。だが今こそ合意すべき時だ」と話している。

ゴールドバーグ・ポリンさんは昨年10月7日、音楽フェスティバルの会場から連れ去られた。両親はネタニヤフ首相に対し、人質の解放に向けた合意を強く訴えていた。