米中の外交指令塔、会談2日目…台湾海峡とフェンタニル問題を協議

AI要約

サリバン補佐官と王外相の米中会談が2日目にも続き、台湾問題やフェンタニル流通などについて議論が行われた。

両者は軍事的対立を避けるための対話を重視し、バイデン政権が台湾海峡などの地域での対立予防を強調している。

会談は協力的な対話を通じて両国関係の発展を図ることを目指しており、バイデン政権の方針や任期末の危機管理が焦点となっている。

米中の外交指令塔、会談2日目…台湾海峡とフェンタニル問題を協議

中国・北京で28日、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が中国の王毅外相と2日目の会談を継続した。米大統領選挙を控えた状況でサリバン補佐官は前日初めて中国を訪れ王外相と会談を始めた。

サリバン補佐官は初日の会談で「米中間の競争が対立に発展するのを防止し、昨年両国首脳が合意した共感を履行するよう望む」と明らかにした。続けて28日の会談では「台湾海峡などでの双方の軍事的対立を予防することを望む」との立場を強調したという。

ロイター通信などによると、サリバン補佐官はこの日、台湾問題のほか、中国産と推定される米国内でのフェンタニル流通問題などの懸案と関連した協議を継続した。特に、台湾で親米・独立性向の民進党所属の頼清徳総統が5月に就任してからは対立がさらに深まっている台湾問題に対する具体案を提示したという。

ロイターは会談取材内容に基づいて「サリバン補佐官は両国の軍事会談水準を戦区司令部段階に引き上げることを望む。バイデン政権はこれを通じて台湾海峡など特定地域で起きる対立を予防することを望んでいる」と伝えた。

サリバン補佐官は米国内でのフェンタニルの対応に向けた両国間の協力問題も取り上げたという。中国側がフェンタニルの原料となる化学物質の開発を防ぐためにより多くの措置を取るべきという趣旨だった。

フェンタニルは当初鎮痛剤として開発されたが、少ない量でも効果が強く価格が比較的安いことから米国全域で麻薬の代用品として乱用されている。

中国はこれに対抗し中国の製造業を狙った米国の関税と輸出統制などに対して不満を示したたという。

両国の対外政策を率いる2人の外交指令塔が対面したのは1月末にタイのバンコクでの会談から7カ月ぶりだ。

中国外交部によると、初日の会談で王外相は「実質的で建設的な対話を望む。『サンフランシスコ・ビジョン』に対する干渉を克服して障害物をなくし、両国関係に健全で持続可能な発展がなされることを望む」と話した。サンフランシスコ・ビジョンは昨年11月にサンフランシスコで行われた首脳会談で合意した両国関係発展の青写真だ。

この日サリバン補佐官も「今回の戦略的疎通を通じて多様な問題に有益な対話をして両国首脳が合意した共感を履行するよう望む。バイデン大統領もやはり米中関係を責任感を持って管理すると約束した」と明らかにした。

今回の会談の意図と関連して外信は「任期末のバイデン政権の危機管理と次期米政権の方向性を点検することにある」という分析を出した。

BBCは「今回の会談の根本的な目的は相手方の真の意図を把握することにある。相互に競争し依存的関係に置かれた両国が互いに警戒心を持って管理しながらも安定的関係を維持しなければならない対象とみている」と指摘した。