ガザ地区で拉致されたイスラエル人質、326日ぶりに家族と再会

AI要約

イスラエル・ガザ地区でパレスチナの武装組織ハマスに拉致された人質が326日ぶりに家族の元に帰ってきた。

アルカディさんは10カ月ぶりに家族と再会し、ヘリコプターで病院に運ばれてその後は健康な状態であることが確認された。

イスラエル国防軍が救出作戦を実施し、一部報道ではアルカディさんが自ら脱出したという主張もあるが、事実は不明である。

ガザ地区で拉致されたイスラエル人質、326日ぶりに家族と再会

イスラエル・ガザ地区でパレスチナの武装組織ハマスに拉致された人質が326日ぶりに家族の元に帰ってきた。

英国日刊ガーディアンなどによると、27日(現地時間)、カイド・ファルハン・アルカディさん(52)はヘリコプターに乗って病院に運ばれて10カ月ぶりに家族と再会した。アルカディさんは昨年10月にガザ戦争が勃発した後、イスラエルが救出した8人目の人質だ。

アルカディさんはイスラエル南部ラハト近隣のベドウィン族出身だ。ベドウィン族はイスラエル内のアラブ系少数民族で、昨年10月7日ハマスの奇襲攻撃の際、ベドウィン族17人が死亡して8人が人質として連行された。ガザ地区国境近くの小さなキブツ(集団農場)で警備員として働いていたアルカディさんも当時人質として捕らえられた。

イスラエル国防軍はガザ南部でハマス戦闘員を探すための作戦を遂行しているときに偶然アルカディさんを発見したという。発見当時、アルカディさんは深さ25ヤード(約23メートル)の地下部屋に一人でいたが、逃げられないように周辺を警備する人もなかった。

アルカディさんは長い間、闇の中に閉じ込められていたとし、時折自身を守る警備員がいたが他の人質はいなかったと話した。彼は人質としてとらえられていた10カ月間でかなり体重は落ちていたが比較的健康な状態だった。

アルカディさん救出の知らせを聞いて病院に駆けつけた兄弟のハテムさんは「言葉では説明できない気分だ。まるで生まれ変わったようだ」と喜んだ。ハテムさんは「最初は信じられなかったが、軍が事実だと言った時、とても興奮し、幸せだった」とし「私たちはこの瞬間を長く待ち望んでいて、すべての人質がこのような喜びと興奮の瞬間を迎えることができるように願う」と話した。

イスラエルのネタニヤフ首相もアルカディさんと電話で話をして「国民皆が歓呼している」と話した。

イスラエル国防軍はその後声明を発表し、シャイェテット・13やヤハロムなど特殊部隊と第401機甲旅団、情報機関シンベトなどが参加した作戦を通じて彼を救出したと明らかにした。

ただし一部ではアルカディさんが軍によって「救出」されたのではなく「脱出」したという主張も出てきている。一部のイスラエルメディアはアルカディさんが抑留されていたトンネルから脱出し、イスラエル国防軍のほうへ自ら歩いていったと報じた。ハマスも彼を「釈放した(released)」と主張した。だが、イスラエル国防軍の報道官は脱出の可能性に関しては確認も否認もしなかった。

一方、昨年ハマスの奇襲時に拉致されたイスラエル人251人中104人はまだハマスに抑留された状態だ。

このうち34人はすでに亡くなったと推定される。残りは昨年11月一時休戦の時に釈放されたほか、イスラエル軍事作戦で救出され、一部は遺体で発見された。