イスラエル軍、ハマスのトンネルから人質の52歳男性を救出 ガザ南部

AI要約

イスラエル軍がハマスに拘束されていた52歳の男性を救出。男性はイスラエル南部ラハトの遊牧民で、ガザ地区南部のトンネルから救出された。

救出された男性は健康状態が安定しており、検査のため病院に搬送。家族には既に詳細を伝えられている。

イスラエル首相や国防相、大統領らが救出作戦を称賛。ベドウィンのコミュニティはイスラエル国籍のパレスチナ人と認識される場合もある。

イスラエル軍、ハマスのトンネルから人質の52歳男性を救出 ガザ南部

(CNN) イスラエル軍は27日、昨年10月7日の奇襲以来イスラム組織ハマスによって拘束されていた52歳の男性を救出したと発表した。パレスチナ自治区ガザ地区南部で「複合的な作戦」を展開したという。

救出されたのはイスラエル南部ラハトの遊牧民ベドウィン系イスラエル人、カイド・ファルハン・カディさん。ガザ南部のトンネルからイスラエル軍によって助けられた。同軍の報道官がCNNに明らかにした。

イスラエル国防軍(IDF)の声明によるとカディさんの健康状態は安定しており、検査のため病院に搬送されているという。既に詳細を伝えられている家族にはIDFが同行している。

IDFのハガリ報道官は、首尾良くつかんだ情報によりカディさんの位置をピンポイントで突き止めたと説明。同軍の諜報(ちょうほう)部隊が依然としてハマスに捕らえられている人質に関する情報の入手に「昼夜問わず」取り組んでいると付け加えた。

イスラエルのネタニヤフ首相はカディさんと言葉を交わし、IDFを称賛した。首相府が声明で明らかにした。

ガラント国防相やヘルツォーク大統領も救出作戦に対する称賛、歓喜の言葉をそれぞれ述べた。

イスラエルにおけるベドウィンのコミュニティーは人口のおよそ2割を占める。イスラム教徒で半遊牧民的生活を営むベドウィンは民族的にはアラブ系に属する。

コミュニティーの中には自身をベドウィン系イスラエル人と認識する人もいれば、イスラエル国籍のパレスチナ人と認識する人もいる。ユダヤ系のイスラエル人と異なりベドウィンにイスラエル軍での兵役義務はないが、一部のベドウィンは進んで軍に志願。その場合はベドウィンのみの編成の特別部隊に配属されることが多い。

イスラエル首相府並びに同国の人質・行方不明者家族フォーラムの集計によれば、カディさんの救出を受け10月7日以降拘束されている人質の数は104人となった。このうち34人は生存が絶望視されている。