拘束から11カ月弱、イスラエル人人質の男性1人を救出 ガザ南部の地下トンネルで
イスラエル軍がガザ地区南部での複雑な救出作戦により、昨年人質となっていたイスラエル人男性(52)を救出した。
男性は地下トンネルから救出され、健康状態は正常である。
イスラエルは引き続き全員の帰還のために努力を続けており、交渉も進行中。
イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザ地区南部での「複雑な救出作戦」により、昨年10月7日のイスラム組織ハマスによる襲撃で人質となっていたイスラエル人男性(52)を救出したと発表した。
男性はガザ国境近くのキブツで警備員として働いていた。病院に搬送され、健康状態は正常であるという。
イスラエル軍のハガリ報道官は、この男性は地下トンネルから救出されたと述べた。ただ、ガザ地区に残る人質とイスラエル軍の安全を理由に、作戦の詳細については明らかにしなかった。
軍当局者はロイターに対し、兵士らが男性が発見された地域で活動しており、武装勢力や爆発物とともに人質が拘束されているとみられる複雑な地下システムを探索していると語った。
イスラエルのメディアによると、男性はほぼ8カ月間太陽を見ておらず、2カ月間一緒にいた別の人が隣で亡くなったと語ったという。
ネタニヤフ首相は救出活動を行った軍を称賛し、イスラエルは人質全員の帰還のために「たゆまぬ努力」を続けると述べた。
イスラエル軍トップのハレビ参謀総長は声明で「人質救出のために全力を尽くしている」と述べた。
今回の救出について、イスラエルのヘルツォグ大統領は「イスラエル国家とイスラエル社会全体にとって歓喜の瞬間」と言及。ネタニヤフ首相も救出活動にあたった軍を称賛した上で、イスラエルは人質全員の帰還のために「たゆまぬ努力」を続けるとの見解を改めて示した。
イスラエルとハマスの間では、米国などの仲介を通じ、ガザの停戦や人質の解放に向けた交渉が行われている。
ガザに拘束されている残る人質は108人と推定されているが、約3分の1はすでに死亡したとみられている。