中国軍を睨む西太平洋に米空母不在 日本にはイタリアの空母打撃群

AI要約

アメリカと中国の空母の展開状況について述べられており、アメリカは中東に2隻の空母を展開し、中国は南シナ海に1隻展開している。

アメリカの空母は各地域で展開されており、中国は最も多くの空母を保有している2番目であることが明らかになっている。

記事からは米中の空母の位置や現在の任務に関する情報が示されている。

中国軍を睨む西太平洋に米空母不在 日本にはイタリアの空母打撃群

緊張が高まる中東で、アメリカはイランやその代理勢力がイスラエルを攻撃するのを抑止するため、米海軍は2つの空母打撃群を中東に展開している。米海軍は太平洋地域に6隻の空母を配置しているが、今週は中国を睨む西太平洋に米海軍の空母が1隻もいない状態となった。

一方で中国は、保有する3隻の空母のうち1隻が南シナ海に展開。NATO加盟国のイタリアは2隻の空母で構成する空母打撃群を日本に派遣した。

空母は各国が自国の利益や外交政策を支援するために、各地域でその海軍力を誇示するための主要なプラットフォームだ。世界で最も多くの空母を保有しているのがアメリカ(現在11隻を運用中)で、2番目が中国だ。

戦略的に重要なインド太平洋地域における米中の空母が現在どこに展開されているか、本誌の最新データを以下にまとめた。8月23日の時点で、少なくとも8隻の空母の位置がオープンソースの衛星写真を通じて公開されていた。

■米海軍

<原子力空母カール・ビンソン(米カリフォルニア州サンディエゴ)>

米海軍が8月22日に公開した写真によれば、米原子力空母カール・ビンソンはサンディエゴのノースアイランド海軍航空基地に停泊している。

カール・ビンソンは6月下旬~8月上旬にかけてハワイ周辺海域で行われた環太平洋合同演習(RIMPAC=リムパック)に参加した後、カリフォルニアの母港に帰還した。

<原子力空母ジョージ・ワシントン(太平洋東部)>

ジョージ・ワシントンは米海軍によって8月1日から正式に日本に前方配備される空母に指定された。同艦にとって日本への配備は2度目になる。

秋には横須賀海軍基地に配備される予定で、米海軍は7月末にノースアイランド海軍航空基地で原子力空母「ロナルド・レーガン」と「ジョージ・ワシントン」の艦交代を実施。ジョージ・ワシントンは22日に同基地を出港したことが確認されている。

<原子力空母ニミッツとロナルド・レーガン(米ワシントン州ブレマートン)>

20日時点で入手可能な衛星写真によれば、原子力空母「ニミッツ」もロナルド・レーガンも米ワシントン州ブレマートンにあるキットサップ海軍基地のピュージェット・サウンド海軍造船所に停泊している。ロナルド・レーガンは9年間にわたって日本に前方配備されてきたがその任務を終え、現在はメンテナンス中だ。

ノースアイランドを母港とする原子力空母「セオドア・ルーズベルト」と「エイブラハム・リンカーン」は現在、中東に配備されている。米中央軍は21日にエイブラハム・リンカーンが中東に到着したと発表しており、セオドア・ルーズベルトについては22日時点でオマーン湾を航行中であることが衛星写真で確認されている。

両空母は米西海岸から太平洋に配備される予定だったが、イスラエル・イラン間の緊張の高まりを受けて米国防総省が中東への派遣を決めた。

これにより中国のハードパワーが高まりつつある西太平洋にすぐに展開可能な空母がなくなった。米国防総省は同地域の守りが手薄になったことについて懸念する声を一蹴しているが、アナリストらは、米海軍は空母に代わる手段を見つけるのに苦慮するだろうと指摘している。

■中国人民解放軍海軍

<空母「遼寧」(山東省青島市)>

旧ソ連製の艦船を購入・改修した中国初の空母「遼寧」は、8月18日時点で青島の母港に停泊している様子が衛星写真で確認されている。

<空母「山東」:南シナ海>

21日時点の衛星写真によれば、中国海軍の2隻目の空母「山東」は、海南省南部に位置する母港・三亜の南方を航行中だ。

日本の統合幕僚監部によれば「山東」を含む計4隻の中国軍艦船はフィリピン海(沖縄県宮古島の南方海域)で活動し、翌日には南シナ海に向けて航行していった。

<空母「福建」:上海>

22日時点の衛星写真によれば、中国海軍の3隻目となる最新型の空母「福建」は、同空母が建造された上海の江南造船所にとどまっている。「福建」は最近、中国北東部の黄海と渤海で約1カ月に及ぶ試験航海を終えたところだ。