6600万年前に恐竜を絶滅させた小惑星の起源がわかった(海外)

AI要約

6600万年前にほとんどの恐竜を絶滅させた小惑星チクシュルーブの起源が明らかになった。

衝突でできたK-Pg境界に含まれるルテニウムの濃度から、小惑星は外太陽系で形成された可能性が高い。

研究チームの発見はNASAが潜在的に危険な小惑星を探すのに役立つだろう。

6600万年前に恐竜を絶滅させた小惑星の起源がわかった(海外)

6600万年前にほとんどの恐竜を絶滅させた小惑星チクシュルーブは、その起源を探るための痕跡を残していた。

チクシュルーブが衝突した際にできたK-Pg境界に含まれるルテニウムの濃度から、それがどこから来たのか明らかになったと研究チームが発表した。

この衝突体は、小惑星帯(火星と木星の軌道の間で多くの小惑星が存在する領域)に移動する前に、外太陽系(小惑星帯を超えた、木星、土星、天王星、海王星を含む領域)で形成された可能性が高いのだという。

研究者チームは、6600万年前に地球に衝突してほぼすべての恐竜を絶滅させた小惑星チクシュルーブの起源を明らかにしたと述べている。

彼らの発見は、地球上の生命に重大な脅威を与える潜在的に危険な小惑星を探索しているアメリカ航空宇宙局(NASA)の助けになるだろう。

小惑星は、太陽系のどこで形成されたかによって異なる化学組成を持っている。

恐竜を絶滅させたチクシュルーブの起源を特定するために、研究チームは大量絶滅の時代にさかのぼるいくつかの場所からサンプルを採取し、それらに含まれるさまざまな元素を分析した。

中でもチームが注目したのはルテニウムだった。この元素は地球上ではレアメタルだが、小惑星には多く存在する。

ルテニウムの濃度は、小惑星が「『外太陽系』で形成されたのか、あるいは『内太陽系』で形成されたのか」を示すよい指標になると、研究チームの一員であるマリオ・フィッシャー=ゲッデ(Mario Fischer-Gödde)がBusiness Insiderに語っている。

恐竜をはじめ、地球上の全生命体の最大75%を絶滅させたチクシュルーブ小惑星は、過去5億4100万年間に地球に衝突した他の多くの隕石とは異なり、内太陽系(太陽に近い水星、金星、地球、火星から小惑星帯までの領域)ではなく、外太陽系(小惑星帯を超えた、木星、土星、天王星、海王星を含む領域)で形成されたことをフィッシャー=ゲッデらの研究チームは発見した。

この小惑星は地球に衝突するずっと前に、小惑星帯に到達していた可能性が高い。というのも、初期の太陽系で木星が太陽に近づいたとき、その重力の影響で、遠くにあった小惑星が太陽に接近したからだとフィッシャー=ゲッデは説明する。