日銀の利上げ路線継続、適切 米欧と景気サイクルに違い シンクタンク所長

AI要約

ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は、日本経済が予想通りに推移しているとして、日銀の利上げ路線継続を支持する見解を示した。

日本の利上げ路線が欧州や米国との方針の相違を示す中、ポーゼン氏は景気サイクルの違いを指摘し、日本の金融政策には引き締めバイアスが適切であると述べた。

さらに、ポーゼン氏は為替の動向は日本の金融政策には深刻な影響を与えないとし、日銀は今後も適切な政策を維持すべきだと主張した。

日銀の利上げ路線継続、適切 米欧と景気サイクルに違い シンクタンク所長

 【ジャクソンホール時事】米有力シンクタンク「ピーターソン国際経済研究所」のアダム・ポーゼン所長は23日、日銀の利上げ路線継続に関し、日本経済はおおむね日銀の予想通りに推移しており、「追加利上げの余地はあり、引き締めバイアスは適切だ」との見解を示した。

 西部ワイオミング州で開催されている経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」に出席した際、時事通信のインタビューに応じた。

 日銀が利上げ路線を維持する中、欧州中央銀行(ECB)や英イングランド銀行(中銀)は既に、4年以上ぶりの利下げを決定。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長もこの日の講演で、9月の金融政策会合での利下げ開始を明示した。

 ポーゼン氏は金融政策を巡る米欧と日本の方向性の相違について、「景気サイクルの違い」のためと説明。FRBが利下げを始めれば、円相場は対ドルでいくらか(上昇方向へ)動くかもしれないが、「為替は日銀が金融政策決定で深刻に捉えるべきことではない」と強調した。