ギリシャ船籍のタンカー、紅海で攻撃受けエンジン出力喪失 乗組員は救助も「環境への悪影響」懸念

AI要約

ギリシャ船籍の石油タンカーが紅海で飛翔体による攻撃を受け、乗組員は救助されたものの船は動けなくなっている。

タンカーはイエメンとエリトリアの中間地点で損傷し、修理のために移動が計画されている。

紅海ではフーシらの攻撃が続いており、過去に船舶への攻撃が報告されている。

(CNN) ギリシャ船籍の石油タンカーが21日、紅海を航行中に飛翔体による攻撃を受けた。乗組員は全員救助されたが、原油15万トンを積んだタンカーは現場付近で動けなくなっており「環境への悪影響」が懸念されている。

紅海の安全な航行を確保するために欧州連合(EU)が同海域に派遣している海上部隊が乗組員25人を救助した。乗組員らは全員、東アフリカのジブチに送られた。

海上保安の関係者がロイター通信に22日明らかにしたところによると、タンカーは損傷し、エンジン出力を失った。現在、イエメンとエリトリアの中間付近に停泊しているという。運航会社のデルタ・タンカーズは損傷の程度の確認と修理のためにタンカーを安全な場所に移動させる計画という。

英海軍の英国海運貿易オペレーション(UKMTO)の報告によると、現地時間21日午前3時ごろに13~15人が乗り込んだ「小型船2隻」がタンカーに接近。小型武器による交戦があり、その後タンカーは少なくとも3つの飛翔体の攻撃を受けた。

ギリシャ海運省は声明で、タンカーの乗組員は全員無事だが船体が損傷したと明らかにし、攻撃は「明白な国際法違反であり、航行の安全にとって重大な脅威だ」と非難した。

同海域で監視を行っているEUの海上部隊は、タンカーに到着する前に「タンカーや乗組員に差し迫った脅威をもたらした」水上ドローン(無人艇)1隻を「破壊」したという。攻撃の主体についての言及はなかった。

紅海ではイエメンの反政府武装組織フーシが、イスラム組織ハマスを攻撃しているイスラエルへの報復として、昨年11月から船舶への攻撃を繰り返している。