猛暑を忘れようと一杯? 夏季の水遊び事故の死亡5人中1人は「飲酒水泳」=韓国

AI要約

夏の酒の消費量が増え、飲酒による事故の危険性が高まっている。特に休暇シーズンには飲酒水泳や飲酒運転が多く、命に関わる事故が増加している。

酒を飲んでの水泳は急激な脈拍数増加や血圧上昇を招き、心臓疾患のリスクを高める。酔うと判断力が鈍化し、危険な状況に不適切に対処する可能性もある。

酒の過剰摂取は夏季の健康にも悪影響を及ぼし、不眠や肥満を引き起こす可能性がある。夏の事故や病気を予防するためには節酒が必要だ。

猛暑を忘れようと一杯? 夏季の水遊び事故の死亡5人中1人は「飲酒水泳」=韓国

会社員のキムさん(39)は今月初め、家族と一緒に智異山(チリサン)の渓谷へ短い休暇に出かけた。渓谷を訪れた他の避暑客もほとんどが家族単位だった。キムさんは子どもたちと水遊びをして簡単にフルーツなどを分け合って食べた。だが、一部の避暑客はビールを何本も飲み、その後すぐに水中に飛び込んだという。キムさんは「渓谷の深さが大人の腰のあたりくらいまででそれほど深くはなかったが、酔った状態で泳いでも大丈夫なのかと近くで見ていて心配になった」と話した。

今夏、激しい猛暑が続く中で、暑さを忘れようと、また睡眠を取ろうと習慣的に酒の杯を手に取る人々が少なくない。だが、休暇シーズンに飲み過ぎて、何も考えずに飲酒水泳・飲酒運転などをしていると致命的事故につながることができるだけに、節酒が必要だという指摘が出ている。

20日、韓国国税庁・疾病管理庁によると、2019年8.81リットルから2021年8.07リットルに減った20歳以上1人当たり年間アルコール消費量は2022年8.44リットルに増えた。酒類出庫量も似ている。2019年、年間355万527キロリットルで2021年323万916キロリットルに落ちたが、2022年には336万3211キロリットルに回復した。月1回以上、過飲の酒の席を持つ月間暴飲率も2021年35.6%から2022年37.4%に上昇した。コロナ禍の余波でしばらく減っていた酒の消費と過飲形態が再び戻ったきた格好だ。

このように飲酒が増えれば各種事故危険が高まらざるを得ない。特に野外活動が頻繁になる夏季休暇シーズンが脆弱な時期に挙げられる。行政安全部によると、最近5年間(2018~2022年)の夏(6~8月)に発生した水遊び事故の半分が8月に集中した。この期間、死亡者136人中22人(16.2%)は飲酒水泳が原因だった。

明知(ミョンジ)病院メンタルヘルス医学科のハン・チャンウ教授は「酒を飲んだ後に無理に水泳などをすると、急激な脈拍数増加と血圧上昇が現れることがある」とし「これは心臓に相当な負担を与え、心臓疾患発生の可能性を高める」と話した。また「酔うと理性的判断が鈍化して危険な状況に適時に対処することができなくなる」と指摘した。

夏には酒を飲んでハンドルを握って起きる交通事故も多い。道路交通公団によると、2022年飲酒運転事故件数は休暇シーズンである夏(6~8月、3794件)と各種会合が増える年末(10~12月・4106件)の間に大きな差はなかった。飲酒運転による被害も大きい。同年全体交通事故件数の7.7%が飲酒事故であり、これによって2万4000人余りが亡くなるか、けがをした。

酒を飲みすぎると夏季の健康管理にも警告灯がつく。特に熱帯夜のときに入眠を助けようと酒を飲む習慣は「毒」になりかねない。眠りに入っても熟眠まではいかず、肥満を誘発して健康を害するためだ。

ハン・チャンウ教授は「酒を飲んで寝ると、夜中に繰り返し目が覚める」とし「酒は初期は睡眠効果があったとしてもすぐに耐性ができる。同じ効果を得ようとして、もっと多くの酒を飲むことになり、アルコール中毒につながる危険もある」と説明した。

韓国健康増進開発院の関係者は「夏季の事故と病気を予防するためには生活の中の節酒を実践する必要がある」と強調した。