タイで最年少首相が誕生した裏では「司法クーデター」が起きていた

AI要約

タクシン元首相の次女であるペートンタン・シナワットが、37歳で歴代最年少の首相に就任した。彼女は政界入りする前は、一族が所有するホテルなどの事業に携わっていた。

ペートンタンは政治経験が乏しく、一族の名前が良くも悪くもつきまとう立場にある。タイの政治家一族であるタクシン一族は、軍事クーデターや憲法裁判所の命令によって失職する暗い歴史を持つ。

ワシントン・ポストは、ペートンタンも王室寄りの裁判所や軍部から圧力を受ける可能性が高いと指摘している。

タイで最年少首相が誕生した裏では「司法クーデター」が起きていた

タイで8月18日、歴代最年少の首相が誕生した。タクシン元首相の次女で、最大与党「タイ貢献党」の党首であるペートンタン・シナワット(37)だ。

ペートンタンは一族が所有するホテルなどで事業に携わった後、2021年に政界入り。米紙「ワシントン・ポスト」によれば、当初は貢献党の顧問的な役割を務め、彼女自身は政治家になることに興味はないと語っていたという。だが、ほどなく表舞台に立つようになり、貢献党は2023年に彼女を首相候補の1人に指名した。

このように政治経験が乏しいだけでなく、ペートンタンには良くも悪くも一族の名前がつきまとう。

一族の首相経験者は、父親のタクシンに、叔母のインラック・シナワットと叔父のソムチャイ・ウォンサワットを加えた3人だ。タイの強力な政治家一族である反面、3人とも任期半ばで軍事クーデターまたは憲法裁判所の命令によって失職した暗い歴史がある。

これはタクシン一族のポピュリスト政治が、王室寄りの裁判所や軍部との衝突を招いたためであり、ペートンタンもそうした王室派から圧力を受けるだろうと、ワシントン・ポストは指摘している。