ソウル大のマルクス経済学講義、受講生減少で35年の歴史に終止符

AI要約

ソウル大学経済学部が35年にわたり行われてきたマルクス経済学講義を開設しないことを決定した。学生の関心が低下し需要が減少しており、教授も不在の状態が続いていた。

1988年に激しいデモが行われ、その後マルクス経済学講義が開始されたが、教授の定年退職以降再開の機会は訪れず、学部はマルクス経済学者を選出しないことを決定した。

一部の学生はマルクス経済学の必要性を疑問視し、経済学部内で意見が分かれている。ただし、多様性と実用性を重視する立場も存在している。

ソウル大のマルクス経済学講義、受講生減少で35年の歴史に終止符

 ソウル大学経済学部は9月の2学期にカール・マルクス(1818-83)の「マルクス経済学」講義を開設しない方針であることが11日、分かった。ソウル大学マルクス経済学講義は1989年にキム・スヘン(1942-2015)教授が赴任して以来、35年にわたって行われてきた。共産党宣言(1848年)をフリードリヒ・エンゲルスと共に書いたマルクスの経済学は「資本主義は労働者階級を搾取することで維持されている」と見た。労働者が旧体制を崩壊させる「革命」として資本主義を終息させなければならないという見解は、20世紀における共産主義の理論的土台となった。

 経済学部は、「政治経済学入門」「マルクス経済学」「現代マルクス経済学」など、マルクス経済学講義を全て開設しないことに決めたという。ソウル大学の関係者は「マルクス経済学に対する学生たちの関心が低下し、講義に対する需要が非常に低い」と話した。経済学部は、講義の需要と供給を考慮し、このような決定を下したという。実際、マルクス経済学の受講生は減少基調にあった。「政治経済学入門」の受講生は2021年2学期に93人だったが、今年の1学期は30人だった。1990年代に受講定員が200人を誇っていた「マルクス経済学」の昨年2学期の受講生は、たった4人に過ぎなかった。

 民主化運動の真っ最中にあった1988年、ソウル大学では「主流経済学の講義だけを聞けと言うのか」と主張する学生たちによる激しいデモが行われた。大字報(壁に貼り付ける新聞)の付着はもちろんのこと、署名運動や集会、授業拒否などが相次いだ。1989年1学期にロンドン大学で博士号を取得したキム・スヘン教授が赴任し、マルクス経済学講義を初めて開設した。しかし、2008年にキム教授が定年退職して以降、ソウル大学経済学部はマルクス経済学者を教授に選ばなかった。一部の学生たちによって、「経済学にはバランスの取れた観点が必要だ」として採用を要求されたこともあった。

 キム・スヘン教授の退職以降、マルクス経済学を講義してきたカン・ソンユン講師は最近、ソウル大学のインターネット掲示板に「経済学部がマルクス経済学分野を排除する過程を進めているのではないかと懸念される」とし「マルクス主義経済理論の命脈がソウル大学から完全に断絶されないことを願う」とコメントしている。経済学部は今後の議論によって来年、講義を再開設することもあるとの立場だ。

 ソウル大学内の反応は交錯する。経済学部在学生のイムさん(25)は「就職に必要なミクロ経済学、マクロ経済学、経済統計学など主要科目を受講するのは大変だ」と話す。一部の学生は「共産主義国家は崩壊し、中国や北朝鮮なども資本主義に戻ってきているのに、あえてマルクス経済学を受講しなければならない理由が分からない」との反応を見せる。だが、一線の教授と学生たちの間では「国立総合大学では学問に対する多様性も実用性に劣らない価値」といった論理も聞かれる。

キム・ドヨン記者、カン・ジウン記者