勢いづくハリス氏、共和党の人物らも支持…「全国大会で３人以上が支持演説」

１９日（現地時間）に米シカゴで民主党全国大会が開幕した中、共和党および保守陣営側からも複数の「ハリス氏支持」が続き、「ハリス大統領候補擁立式」の雰囲気が盛り上がっている。

この日の米ＣＮＮ放送によると、保守性向のマイケル・ルティグ連邦判事は声明を出し、「２０２４年大統領選挙で米国の民主主義・憲法・法治守護者と保護者の責任を前に出せる候補はただ一人であり、私はためらわず大統領候補として民主党のハリス副大統領に投票する」と明らかにした。また、今回の大会で最少なくとも３人の共和党出身者が「ハリス氏支持」演説をする予定だと、ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）が同日報じた。保守陣営内で幅広い支持を受けている憲法学者のルティグ氏はマイク・ペンス前副大統領の非公式顧問だ。ルティグ氏は２０２０年の大統領選挙後にトランプ前大統領が選挙の結果を覆そうとした当時、ペンス氏に選挙の結果を受け入れて認証するよう説得した。

ルティグ氏は「私とハリス氏の公共政策の観点は大きく異なると考えるが、米国の民主主義・憲法・法治以外の問題の差は今回の選挙で重要でない」と支持の理由を明らかにした。ルティグ氏は共和党に対しても「米国民主主義との戦争を始めた」とし「２０２０年の選挙で勝利したという前大統領の故意的な偽りの主張で米国人数百万人が選挙に対する信頼を抱けなくなり、今後もそうなる可能性が高い」と批判した。

ルティグ氏が民主党候補に対する公開的な支持を明らかにしたのは今回が初めてだが、バイデン大統領が進歩性向の黒人女性コタンジ・ブラウン・ジャクソン連邦判事を指名した当時にも支持を表明した。ジャクソン氏は米国初の黒人女性連邦最高裁判事だ。

◆「民主主義のためにハリス氏に投票」

米ニューズウィークは「民主党がトランプ側から離れている一部の保守・穏健性向の有権者確保に注力する中、数人の著名な元・現共和党の人物がハリス氏の熱烈な支持者に浮上している」と伝えた。共和党所属であるもののトランプ氏ではなくハリス氏を支持する共和党の元・現要人はアダム・キンジンガー元下院議員（イリノイ州）、トランプ政権の元大統領報道官ステファニー・グリシャム氏、ペンス元副大統領の元補佐官オリビア・トロエ氏ら数十人にのぼる。

このうちキンジンガー氏は今回の民主党全国大会期間にハリス氏を支持する演説をする予定という。キンジンガー氏は「民主主義に対する信頼がトランプ氏によって崩れたため、ハリス氏とランニングメイトのティム・ワルツ・ミネソタ州知事に投票するべき」とし「今回は共和党のレッテルを付けながらも民主主義を守るために（ハリス氏、ワルツ氏に）投票しようということ」とニューズウィークに話した。ブッシュ政権当時に実質的権力者と呼ばれた共和党所属のチェイニー元副大統領の娘リズ・チェイニー元下院議員も演説者リストに含まれたという。

◆「ＭＡＧＡ出身のロッジス氏らもハリス氏支持演説」

ＮＹＴは「民主党全国大会期間に少なくとも３人の共和党の人物がハリス氏支持演説をすると予想される」と報じた。ＮＹＴによると、キンジンガー氏は大会最終日の２２日に、共和党員のアナ・ナバロ氏は２０日にハリス氏支持演説をする予定だ。「ＭＡＧＡ（＝米国を再び偉大に）活動家」だった保守論客のリッチ・ロッジス氏は１９日に録画された映像で、全国大会でハリス氏支持の意思を公開する計画という。

「トランプ大統領候補」に不満を抱いた共和党の人物に積極的にラブコールを送ってきた民主党は今月初め「ハリス氏を支持する共和党員（Ｒｅｐｕｂｌｉｃａｎｓ　ｆｏｒ　Ｈａｒｒｉｓ）」というキャンペーンを強調しながら中道保守層攻略に力を注いできた。共和党所属のジム・エドガー元イリノイ州知事、ビル・ウェルド元マサチューセッツ州知事、クリスティン・トッド・ウィットマン元ニュージャージー州知事、ジェフ・ダンカン元ジョージア州副知事、ジョン・ジャイルズ・アリゾナ州メサ市長らが最近、ハリス氏支持を宣言した。ジャイルズ氏は先月２９日、地域メディアに「トランプ氏と共にする共和党は政治的極端主義で流れている」と寄稿した。

またチャック・ヘーゲル元国防長官、レイ・ラフード元運輸長官、ロザリオ・マリン元財務長官、クリス・バーンズ元上院議員（ワシントン）も共和党所属だが、トランプ氏でなくハリス氏を支持する意思を明らかにした。７月１５－１８日にウィスコンシン州ミルウォーキーで「統合」をコンセプトに開かれた共和党全国大会当時、トランプ氏と対立した人物のうちトランプ氏支持演説をしたのはニッキー・ヘイリー元サウスカロライナ州知事だけだった。