ロシア、欧メディアが「違法入国」取材と抗議 越境攻撃うけ苦況続く

AI要約

ロシア外務省はイタリアの国営放送がウクライナ軍の越境攻撃を取材するためにクルスク州に不法に入国したことに抗議し、ロシアの法律とジャーナリストの倫理に違反したと非難。

ウクライナ軍はCNNの記者にも取材を許可し、ウクライナ側がクルスク州で進攻に成功し、ロシア軍は防衛が困難である状況が続いている。

ロシア軍はウクライナ軍を撃退したと主張しているが、ウクライナ側はクルスク州で一部地域を制圧したと述べている。

ロシア、欧メディアが「違法入国」取材と抗議 越境攻撃うけ苦況続く

 ロシア外務省は16日、国営イタリア放送協会(RAI)の撮影チームが、ウクライナ軍のロシアへの越境攻撃を取材するため、ロシア南西部クルスク州に不法に入国したとして、イタリアの駐ロシア大使を呼び出して抗議した。ウクライナ軍は米CNNの記者にもウクライナとクルスク州の国境取材を認めており、ウクライナ側に占領地を掌握される苦しい戦況が続いているとみられる。

 ロシア外務省は、ウクライナ軍の越境攻撃を「ウクライナの武装勢力による犯罪的なテロ攻撃」とし、「ロシアの法律とジャーナリストの倫理に違反した」とRAIの撮影チームを批判。「当局が適切な対応をする」として、刑事責任を問う可能性を示唆した。

 一方、CNNの映像では、ウクライナ軍の車両が次々と記者の横を通過。ロシア軍の攻撃の音も聞こえず、状況は安定しているように見える。記者は「ウクライナ軍の攻撃に、ロシア側はまったく防衛できなかった」と伝えた。

 ウクライナ軍兵士はCNNの取材に対し、「最終結果は誰にも分からない」と話した。

 ウクライナ軍は6日にロシアへの越境攻撃を開始。ロシア軍は連日、「ウクライナ軍を撃退した」などと発表しているが、ウクライナ側は、クルスク州で約1千平方キロを制圧したとしている。