光復節:「球場の日の丸下ろせ」「『蝶々夫人』放映は不適切」 韓国各地で繰り広げられたドタバタ劇

AI要約

韓国政界が分裂した光復節(日本の植民地支配からの解放記念日)、様々なドタバタ劇が繰り広げられた。

斗山ベアーズの日本人投手が試合の先発登板が延期され、日の丸が掲げられた球場でも抗議が起きた。

西大門区でのイベントや日本料理店の営業に関する物議も巻き起こった。

光復節:「球場の日の丸下ろせ」「『蝶々夫人』放映は不適切」 韓国各地で繰り広げられたドタバタ劇

 8月15日の式典をめぐり、韓国政界がひどく分裂した第79回光復節(日本の植民地支配からの解放記念日)。親日と反日をめぐり、韓国の各地でもありとあらゆるドタバタ劇が繰り広げられた。

 韓国プロ野球(KBO)斗山ベアーズに所属している日本人投手・白川恵翔(23)は15日、ロッテ・ジャイアンツとの試合で先発登板する予定だった。ところが、一部の野球ファンが交流サイト(SNS)の同球団公式アカウントに「光復節の試合に日本人投手とは何事だ」と抗議し、白川は結局、16日に登板することになった。

 斗山ベアーズの本拠地・蚕室野球場に掲げられた日の丸も批判を浴びて撤去された。同球団は約20年間、所属選手の母国の国旗を球場に掲げてきた。現在は韓国のほかに米国・カナダ・日本の選手がプレーしており、4カ国の国旗が掲げられていた。ところが、「光復節に日の丸を掲げるだなんてとんでもない」などの抗議が殺到したため、斗山ベアーズは15日午後2時ごろ、日の丸を下ろした。

 同球団の関係者は「約20年間、日本人選手が所属していた期間は光復節でもいつも通り日の丸が掲げられてきた」と話す。野球ファンのキム・ソンチョルさん(26)は「韓国に金を稼ぎに来た20代の外国人選手がどんな悪いことをしたというのか」と言った。「国民所得でも(韓国は)日本を上回ったのに、後進国のような振る舞いはするな」などの反論もあったが、「光復節に日の丸は見たくない」という意見も少なくなかった。

 ソウル市西大門区の西大門刑務所歴史館では14日と15日、日本による植民地支配時代の巡査の制服を着たスタッフたちに向かって水鉄砲を撃つ「独立軍戦闘体験」という企画が開始直前に中止になった。「子どもたちに憎悪と敵意を植え付けるつもりか」との指摘があったためだ。西大門区の関係者は「光復(日本の植民地支配から解放されたこと)ムードを体験しようという趣旨だったが、子どもの教育上、良くないということで中止した」と説明した。西大門区ではこうした催しを2010年代から実施しているという。

 日本料理店の中には、光復節に営業をしているという理由で後ろ指を差された店もある。あるインターネット掲示板には「光復節にうちの町のすし屋は通常通り営業中」「経営者の認識(の低さ)は実に残念」という投稿があった。その反対に、光復節に休業している日本料理店に対しては「概念(常識)のある店」と評価する声もあった。ネット掲示板のあちこちで、光復節に日本のビールを飲んだり、日本の製品を利用したりすることについて適切かどうかを巡り論争が起きた。