【社説】大統領に初の通信令状発付、裁判所も認めた捜査の必要性=韓国

AI要約

"海兵隊員C上等兵殉職事件"捜査外圧疑惑を捜査する公捜処が、尹大統領の携帯電話通話内容を一部確保した。裁判所が尹大統領に対する捜査の必要性を認め、通信令状を発付した。海兵隊捜査団との関与が明らかになるため、捜査の重要性が高まっている。

公捜処が尹大統領の通信令状を取得し、一部通話内容を確保。これまで捜査に対する通信令状請求が数度棄却されていたが、今回は受け入れられ、捜査資料を確保できた。シン前次官や国防部など関係者との通話内容が明らかになりつつある。

国会では特検法の発議が進行中で、与党も特検の必要性を公言。公捜処には証拠の確保だけでなく、関連者の調査を促す責務がある。

【社説】大統領に初の通信令状発付、裁判所も認めた捜査の必要性=韓国

 「(海兵隊員)C上等兵殉職事件」捜査外圧疑惑を捜査している高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の携帯電話の通話内容を一部確保した。現大統領の通話内容を確認できる通信令状が発付されたのは初めてのことだ。裁判所も尹大統領に対する捜査の必要性を認めているという点で注目される。

 裁判所はこれまで数回にわたり、公捜処が請求した尹大統領の通信令状を棄却した。ところが最近、公捜処が通信令状の対象期間を大幅に減らして特定日を中心に再び通信令状を請求し、裁判所がこれを受け入れたのだ。通話記録は通信会社に1年間保存されるため、この期限を過ぎると確認できなくなる。今回、一部でも通信令状が発付されることで、最小限の捜査資料を確保したことは幸いだ。

 裁判所が類例のない現大統領の通信令状を発付したのは、捜査の必要性に対する判断もかなり働いたものとみられる。海兵隊捜査団がC上等兵事件を警察に移管した昨年8月2日、尹大統領は国外出張中だったイ・ジョンソプ国防部長官(当時)に携帯電話で3回電話をかけた。国内で長官代行をしていたシン・ボムチョル次官(当時)とも、携帯電話で3回話し合った。シン前次官は今年6月、国会の「C上等兵特別検事法」立法聴聞会で、この通話について「その通話は(捜査記録の)回収と関連」していると述べたが、その後「(通話内容を)明らかにするのは不適切だ」と訂正した。また、通話当時、シン前次官はユ・ジェウン国防部法務管理官、キム・ドンヒョク国防部検察団長と一緒におり、通話後、彼らは事件の回収とパク・チョンフン捜査団長の抗命罪の立件に着手した。

 このように尹大統領がこの事件に関与した情況がかなり明らかになっており、携帯電話の通話内容はその重要な証拠だ。これまでは電話した相手の通話内容を確認する過程で、尹大統領との通話事実が間接的に明らかになったが、今回は尹大統領の通話内容を直接確認できるようになった。公捜処がより立体的な情況を把握できる可能性がある。

 国会では野党による3回目の「C上等兵特検法」が発議されている。与党「国民の力」のハン・ドンフン代表も特検の必要性を公言しており、特検法にこれ以上背を向けてはならない。国会が迅速な特検の導入に努めることとは別に、公捜処は捜査に最善を尽くさなければならない。今回の通信令状発付のように、隠滅される恐れのある証拠を至急確保する措置はもちろん、遅れている主要関連者の調査にも拍車をかけなければならない。

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