パリ五輪の閉会式に込められた「多様性と連帯」のメッセージ

AI要約

パリ五輪が閉幕し、3年前の東京五輪とは異なる熱気に包まれた競技会場について述べられている。

閉会式では、五輪の力が平和や多様性、連帯を象徴し、社会に希望を与えるメッセージが描かれた。

フランスでの五輪開催は、テロや総選挙の影響を受けた国に癒やしを与え、過去の悲劇を乗り越えようとする意気込みが述べられている。

 11日夜に閉幕したパリ五輪。各地の競技会場は観客の熱気や声援に包まれ、無観客だった3年前の東京五輪から雰囲気が大きく変わった。開催地フランスでは、過去のテロや大会直前の総選挙で「分断」という傷を負った国を、五輪が癒やすという期待がある。

 国旗とともに入場する選手たちを約7万2千人の観客は大きな拍手で迎え、競技場には温かな雰囲気が広がった。11日夜のパリ五輪閉会式。選手たちが「オー・シャンゼリゼ」を歌う場面では、観客席からも歌声が響き、笑顔があふれた。

 閉会式では、五輪が消えてしまった暗い未来で、別の時空から来た生命体がそれをよみがえらせる物語が描かれた。戦争や気候変動など様々な危機に「平和の祭典」が脅かされていることへの警鐘と、それでも五輪には「多様性と連帯」をもたらす力があるとのメッセージが込められた。

 会場のフランス競技場は、2015年11月に起きたパリ同時多発テロで最初に狙われた場所だった。五輪開幕前の市民の最大の懸念がテロだった背景には、フランス史上最悪の130人が犠牲になった9年前の記憶がある。