ミャンマーで「国軍幹部の生年月日」が「トップシークレット」になっている「意外過ぎる理由」

AI要約

ブルガリアで中世の人骨2体が発見され、胸に鉄製の杭を打ち込まれたことからバンパイア封じの儀式の可能性が浮上。

ミャンマーでは今も黒魔術が信じられ、国軍幹部の正確な誕生日は秘密とされるほど。古代から現代まで続く異文化の宗教信仰。

ポーランドでも17世紀の吸血鬼が発見され、吸血鬼退治の儀式に関する事例も報告されている。

ミャンマーで「国軍幹部の生年月日」が「トップシークレット」になっている「意外過ぎる理由」

2012年にブルガリアで胸に鉄製の杭を打ち込まれた中世の人骨2体が発見された。ブルガリアでは同様の人骨がこれまでに約100体出土しており、死者の胸に杭を打ち込む行為は「20世紀初頭までブルガリアの一部の村で行なわれていた慣習」ではないかと推測されている。

一方、敬虔な仏教国・ミャンマーでは、いまでも上座部仏教と占星術、精霊信仰、超能力者信仰、数秘術、手相術、呪術などが混然一体となった黒魔術が広く信じられているという。

また、ミャンマーでは未だに黒魔術が信じられており、呪術師に黒魔術をかけられることのないように、国軍幹部の正確な誕生日はトップシークレットとされているという。

ブルガリアで行われていたと思われるバンパイア封じの儀式とミャンマーで未だに信じられている黒魔術について歴史作家・島崎晋氏が詳しく紹介する。

※本記事は、『呪術の世界史―神秘の古代から驚愕の現代』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

インドの魔女狩りは迷信色が強いが、迷信色といえば、東欧では特殊な状態で埋葬された骸骨が発見されるたび、吸血鬼疑惑が持ち上がっている。

「ブルガリアで〈バンパイア〉の骨が出土」

このニュースは2012年6月7日にAFP通信社が配信したもので、現場は黒海沿岸のソルボルという町。胸に鉄製の杭を打ち込まれた中世の人骨2体が発見された。同記事は「一部地域の信仰」として、「存命中に悪い行ないをした人の遺体は、埋葬前に鉄や木でできた杭を胸に突き刺さないと死後バンパイアに変身する恐れがあるとされていた」と説明を加え、発掘された人骨の状況は、「バンパイア(吸血鬼)への変身を防ぐため」と結論づけている。

同記事にはブルガリア国立歴史博物館館長のコメントが付されており、そこには、「杭を打ち込むことにより、死者が真夜中に墓から抜け出して人びとを怖がらせることができないようになると信じられていた」「20世紀初頭までブルガリアの一部の村で行なわれていた慣習」とあり、記事の末尾は「ブルガリアでは同様の人骨がこれまでに約100体出土している」と締められている。

AFP通信社は同月14日にも「ブルガリアでまた〈バンパイア〉の骨見つかる」と題する記事を配信しており、このときの発掘場所はブルガリア中部のベリコタルノボにある修道院の庭だった。

人骨は数百年前に埋葬された30代男性のもので、人骨は鉄製の留め具4つで地面に固定され、墓の上に琥珀の燃えカスが置かれていたことから、同記事では考古学者のニコライ・オフチャロフによる「異教の迷信に基づき、死後にバンパイアとして蘇ることを防ぐ儀式が行なわれたのだろう」との推測を掲載。それに加え、同氏が数年前にも同じベリコタルノボで、両手を縛られた人骨を発掘したことにも言及している。

さらに近いところでは、2022年9月11日に米ニューヨーク市に拠点を置くウェブサイト「ビジネス・インサイダー」から「ポーランドで17世紀の〈吸血鬼〉を発見……首に鎌、足には南京錠。吸血鬼退治の儀式か」と題する記事が配信された。

そこに眠る遺体は前歯が突き出ており、南京錠がかけられていたのは足の親指。同記事は発掘を指揮したニコラス・コペルニクス大学のダリウシュ・ポリンスキー教授の、「鎌は平らにではなく、死者が起き上がろうとしたら、頭を切り落とすか、首を傷つけるような置き方がなされていた」というコメントに加え、科学雑誌に掲載された「17世紀、東欧の市民は吸血鬼を恐れ、死者に吸血鬼退治の儀式を行なうようになった。

〈死んだ人のなかには、血を吸うモンスターとして墓から這い出てきて、我々を恐怖に陥れる者がいる〉と信じていた」「17世紀にはこのような埋葬方法が〈吸血鬼の発生が報告されたためにポーランド全土で一般的になった〉」といった解説もあわせて紹介している。

吸血鬼の誕生を封じる呪術と見て間違いあるまい。