タイ憲法裁判所、最大野党に解党命令

AI要約

タイの憲法裁判所は最大野党の前進党に解党を命じる判決を下し、民主化運動に打撃を与える可能性がある。

前進党は昨年の総選挙で大きな支持を集めたが、選挙管理委員会の不敬罪改正への主張が問題視され、解党に至った。

憲法裁は従来から改革を訴える政党や議員に対する圧力を示しており、政治的混乱が続いている。

タイ憲法裁判所、最大野党に解党命令

(CNN) タイの憲法裁判所は7日、最大野党の前進党に解党を命じた。同国の民主化運動に打撃を与え、さらなる政治的混乱を招く可能性がある。

昨年の総選挙では、前進党が若者らの大きな支持を集めて躍進し、第一党となったが、親軍派が多数を占める議会で十分な支持を得られず、政権を樹立できなかった。

選挙管理委員会は、同党が選挙戦で王室批判を禁じる不敬罪の改正を主張したことを問題視し、憲法裁に訴えていた。

判事らは全員一致で、解党は避けられないとの判断を下した。

憲法裁は1月、同党の党首だったピター氏らが立憲君主制の転覆を図っているとして、不敬罪改正を求める活動の停止を命じていた。

7日の判決ではさらに党の解散を命じ、党幹部に今後10年間の政治活動禁止を言い渡した。

ピター氏はAP通信とのインタビューで、同党がほかの政党のように葬られることのないよう、闘い続けると表明した。

憲法裁は来週、セター首相が前科のある弁護士を入閣させたとの理由で解任を求められている申し立てについても判断を下す。

タイではこれまでも、改革を訴える政党が軍、王室を中心とした既存勢力と衝突してきた。独立機関とされる選管や汚職防止委員会、憲法裁も既存勢力に支配されている。改革を訴える議員は排除され、政党は解散に追い込まれ、政権は倒されてきた。

前進党の実質的な前身、新未来党も2019年の総選挙で第3党になった後、同じく憲法裁に解党を命じられ、幹部は10年間政治活動を禁止された。

これに反発して、全国で王室を批判する若者たちのデモが展開された。デモ参加者の多くが不敬罪に問われ、収監されている。