ハイブリッドワークがオフィス地区を変える…ロンドンのHSBCタワーも再開発へ(海外)
HSBCのロンドン本社が、ハイブリッドワークにより抜本的に生まれ変わる。
2027年にHSBCがカナリー・ワーフ地区にある本社を離れた後は、そのタワーは多目的ビルに変貌する。
ロンドン東部の金融街の不動産開発業者は、オフィススペースを新しい用途に転換する取り組みを進めている。
HSBCのロンドン本社が、ハイブリッドワークにより抜本的に生まれ変わる。
2027年にHSBCがカナリー・ワーフ地区にある本社を離れた後は、そのタワーは多目的ビルに変貌する。
このプロジェクトは、変化する労働パターンに合わせて、不動産所有者がどのように建物を適応させていくのかを示している。
新型コロナウイルスのパンデミック後も労働者がオフィスでの勤務を敬遠する傾向が続いているため、商業用不動産は大きな打撃を受けている。
ハイブリッドワークの増加は、数年前に比べてはるかに価値が下がったビルに、大部分が空っぽになっている状態のオフィスを多くの企業が構えていることを意味している。
ロンドン東部の金融街の大半を管理する不動産開発業者であるカナリー・ワーフ・グループ(Canary Wharf Group:CWG)は、この問題に対する回答が一つあると考えている。
2027年、金融企業のHSBCはカナリー・ワーフ地区にある2002年築の45階建てのタワービルから撤退する予定だ。同グループは、この超高層ビルを単なるオフィススペースとしてではなく、「ユニークな目的地」に変える計画だという。
このビルは、新しい法人顧客にスペースを貸すのではなく、ワークスペース、レジャー、エンターテイメント、教育、文化的なアトラクションを組み合わせた場所に分割される予定だ。
完成予想図では、ビルの一部が削り取られており、その場所にテラス、庭園、展望台、さらには屋上バーなどのスペースが設けられている。
水辺や歩行者用の螺旋状の赤い階段を備えた商業エリアも計画されている。
CWGはこの計画を「世界最大級の再開発プロジェクトのひとつ」と呼んでいる。プロジェクトは2030年までに完了する計画だ。
クレディスイス(Credit Suisse)、JPモルガン(JP Morgan)、ドイツ銀行(Deutsche Bank)、シティバンク(Citibank)などの世界的な銀行もカナリー・ワーフの高層ビルにオフィスを構えている。
だがCWGの今回の計画は、単一用途のオフィススペースはもはや不動産所有者に十分な利益をもたらさなくなったことを意味している。