昨年合格したのに「違うところに行ってください」…看護師「就職ショック」=韓国

AI要約

大学病院の看護師就職市場が混乱しており、新卒看護師たちが就業の扉を閉ざされる状況にある。

看護師志願者は小規模病院に集中し、大学病院を目指して勉強したにも関わらず、就職先を失って別の道を模索している。

待機期間が長期化しているため、看護師就職が不安定な状況が続いている。

「大学病院に就職するために4年間を一生懸命準備したのにほぼ放棄状態です」

釜山(プサン)のある看護大学に在学中の4年生のウォンさんが就職を控えた卒業予備生の姿を表現した言葉だ。専攻医離脱に伴う医療空白の長期化で経営難を強いられている大型病院が新規採用の扉を閉めて看護師就職市場の「カオス(混乱)」が大きくなっている。看護大卒業生は休学を悩んだり保健所への就職や「病院アルバイト」など別の道を調べたりしている。いわゆる「ビッグ5」病院の代わりに小規模病院に看護師志願が集中する現象も現れた。

終わりが見えない医療空白に先が暗いのは看護大卒業生だ。大田(テジョン)のある看護大4年生のソンさんは「看護学科に入ればビッグ5など主要大学病院を目指して勉強するが、今年は広告が一つも出なかった」としながら「一般企業事務職や保健職公務員を考える友人もいる」と話した。だが、他の職群もたいていは2次病院以上で経歴を積んんだ後に進むことができることから「容易ではない状況」と付け加えた。

◇就業の扉が閉じられた大型病院…「江原(カンウォン)募集に済州(チェジュ)志願者も」

実際、医療界によると、首都圏23カ所の上級総合病院のうち、上半期新規看護師採用意思を明らかにしたのは中央(チュンアン)大病院だけだ。地方では江原大病院が採用の広告を出したが、80人の募集に1679人が志願した。約21対1の競争率だ。今後がさらに問題だ。下半期に新規採用を予告しているのは円光(ウォングァン)大病院など数えるほどだ。江原大病院に志願したソクさんは「大田からはかなり遠方だと思ったが、済州道から来た筆記試験志願者もいた」と話した。

昨年大学病院の就職に成功した先輩たちの状況も大きく違わない。入社が無期限延期になっているためだ。昨年ソウルのある大学病院に合格したキムさんは「昨年10月に合格の通報をもらい、今年3月の入社順番公示を受けたが、その後何の連絡もない」と吐露した。キムさんは「病院人事課に連絡すると、『今、ウェイティング(待機)がとても長くなるようなので、他の業種を調べてみるか、海外旅行を行ってくるのはどうか』という回答をもらった」と話した。

採用に合格した看護師は医療空白以前も病院の事情により数カ月間待つことがあった。だが、今年のように無期限に入社が遅れるのは異例だという。大韓看護協会関係者は「待機発令期間が1年を越えれば合格が取り消しになる場合がある。看護師が無制限に待機することができないことから対策が必要だ」と話した。

◇「2次病院には志願者が殺到」…地域病院でアルバイトも

待ちくたびれた人々は地域病院で短期アルバイトをしたり2次病院などに目を向けている。キムさんは「(私の前の)待機1番も入社ができないでいるので本当にどうしたらよいか分からない」としながら「(医療)ストライキが終わらなければ、家の近所の療養病院かリハビリ病院に志願してみようかと思っている」と話した。昨年、忠南(チュンナム)圏の大学病院に合格したイさんも「出勤通知を待ちながらアルバイトをした。最近では地域の小さな病院で明け方勤務だけをしている」としながら「最近は他の病院に就職した同期のほうが先を進んでいるようで不安だ」と話した。

実際、上級病院の採用が止まるとこれまで看護師の間で人気のあまりなかった小さな病院に志願者が集まっている。京畿道(キョンギド)のある総合病院は昨年志願者が184人にとどまっていたが、今年は587人と3倍以上になった。該当病院関係者は「私たちの病院はいつも看護師が不足していて上・下半期どちらにも採用広告を出していた。だが、今年は上半期から志願者が多かったため下半期には採用広告を出さないことも検討している」と話した。

ただし、看護協会は2次病院が看護師採用規模をもっと増やすべきだと指摘した。協会関係者は「上級病院と違って患者が増えた2次病院で看護師を採用しないため、ここで勤務している看護師の業務強度はさらに高まった」としながら「それでも看護師の補充をしないのは問題」と話した。診療アシスタント(PA)看護師など熟練した人材を活用して専攻医の依存度を低くするという政府が看護師就職難の解決に出るべきだとも強調した。

一方、看護師だけでなく理学療法士・臨床病理士など他の保健医療職群も厳しい夏を送っている。彼らは本人の意志とは関係なく休業に入っている。1日、延世(ヨンセ)医療院が専攻医離脱で病院経営難が深まると、一般職職員の無給休職期間を従来の40日から80日に拡大したことが代表的だ。