遺影の父と競歩観戦 64年代表石黒さんの長女 パリ五輪〔五輪〕

AI要約

1964年東京五輪の競歩代表であった石黒昇さんの長女かおるさんが、2021年に父の遺影と共にパリ五輪の競歩を観戦した。

石黒さんは競歩を愛し、現役引退後も後進の育成に努めていたが、2021年の東京五輪聖火ランナーになる予定だった矢先に亡くなった。

かおるさんは東京五輪の競歩を感染対策のため観戦できなかったが、パリ五輪には父の遺影を持って駆け付け、息子の応援を続けた。

遺影の父と競歩観戦 64年代表石黒さんの長女 パリ五輪〔五輪〕

 【パリ時事】1964年東京五輪の陸上男子20キロ競歩に日本代表として出場し、2021年に88歳で亡くなった石黒昇さんの長女かおるさん(62)が1日、パリ五輪の競歩を父の遺影と共に沿道で観戦した。

 

 現役を退いてからも後進の育成に尽力し、競歩を終生愛した石黒さん。かおるさんは遺影に「お父さん、パリに来たよ。見てる?」と話し掛けた。

 当初20年に開催予定だった2度目の東京五輪で、石黒さんは聖火ランナーに決まっていた。しかし、大会はコロナ禍で21年夏に延期。がんを患っていた石黒さんは同年2月、聖火のトーチを手にすることなく他界した。

 東京五輪の競歩は札幌市で行われた。かおるさんは感染対策のため、現地での観戦を断念した。それから3年。「パリ五輪にはどうしても父の遺影を持って応援に行きたい」と駆け付けた。

 1日の男子20キロ競歩は、パリのエッフェル塔の近くで熱戦が繰り広げられた。日本代表の3人は惜しくもメダルを逃したが、かおるさんは最後まで「頑張れ、頑張れ」と声援を送り続けた。