金門島沖の漁船転覆、遺体返還で中台合意 追跡映像なく遺族に謝罪

AI要約

台湾が実効支配する金門島の沖合で中国漁船が転覆し、乗組員2人が死亡する事故が起きた。

台湾側が2人の遺体や漁船を返還し、遺族に慰問金を支払うことで中台間で合意が成立した。

台湾と中国は海域問題で対立しており、今回の合意が緊張緩和につながるかは不透明である。

金門島沖の漁船転覆、遺体返還で中台合意 追跡映像なく遺族に謝罪

 台湾が実効支配する金門島の沖合で2月、台湾の海巡署(海上保安庁に相当)の追跡を受けた中国漁船が転覆して乗組員2人が死亡した事故をめぐり、中台双方は30日、台湾側が2人の遺体や漁船を返還し、遺族に慰問金を支払うことなどで合意した。台湾の行政部門で対中政策を担う大陸委員会が同日発表した。

 中国は事故後、台湾側が金門島周辺に設定した「禁止水域」や「制限水域」の存在を明確に否定し、水域内で中国公船の活動を活発化してきた。台湾側は今回の合意を事態の沈静化につなげたい考えだが、改善に向かうかは未知数だ。

 中央通信社によると、台湾の海巡署の幹部は、追跡時の映像を記録していなかったことについて遺族に謝罪した。大陸委員会幹部は中国海警局が7月に拿捕(だほ)した台湾漁船の乗組員らについても報道陣に「一刻も早く帰ってくることを希望する」と述べたという。