パリ五輪の聖火リレー、ジダンやナダル、カール・ルイスら30人【全アスリート名掲載】

AI要約

パリ・オリンピック開会式では、世界中の著名アスリートが集結し、聖火台への点火式も類をみない演出が行われた。

最終ランナーは伝統的に開催国が国際社会へのメッセージを込めて選ばれ、今回も豪華な顔ぶれが揃った。

開会式では過去に類をみない斬新な演出が行われ、歴史上初めての事例も多かった。

パリ五輪の聖火リレー、ジダンやナダル、カール・ルイスら30人【全アスリート名掲載】

夏季オリンピックとして初めて屋外で行われたパリ・オリンピック開会式には、自国フランス出身だけでなく、世界中の著名アスリートも集結した。式典のクライマックスに行われた聖火台への点火式も類をみない演出ばかり。トロカデロ広場で行われた最後の聖火リレーでは、フランスのサッカーの英雄、ジネディーヌ・ジダンさん(52)からテニス全仏オープンの覇者でなおも現役のスペインのラファエル・ナダル選手(38)にトーチが引き継がれ、最後はフランススポーツ界のレジェンドで、陸上女子短距離で過去大会三つの金メダルを獲得したマリー・ジョゼ・ペレクさん(56)と、パリ大会でも5大会連続のメダル獲得を狙う柔道男子のテディ・リネール選手(35)が点火台への最終ランナーとなった。(ジャーナリスト・佐々木正明)

オリンピック開会式当日は、それまで開催国で行われてきた聖火リレーの最終日となる。毎回、誰が登場するのかトップシークレットで、聖火台への点火方式も関係者しか明かされない。そして、最終ランナーは開催国が国際社会に示すメッセージが込められている場合が多い。1964年東京大会の最終ランナーとなった広島原爆の日に広島で生まれた坂井義則さんはその典型だ。

豪華な顔ぶれは主催国の大会組織委員会が選ぶのだが、これまでの実績からその選定には法則があるようだ。いくつか挙げてみた。

法則1 過去の五輪での複数のメダルを獲得している

法則2 その国のスポーツの発展に貢献している

法則3 五輪経験がなくても、知名度があり世界的スターである

法則4 現役引退直後の30~40代が多い

法則5 同一種目の選手は2人走らない

法則6 現役選手はごくまれ

こうした法則や過去の実績から最終ランナーの最有力候補にジダンさんとリネール選手の2人を挙げたのだが、結果は予想のはるか「斜め上」を行った。

パリ大会開会式では過去に類をみないような演出が施されたのだ。詳しく検証しないとわからないが、開会式最初のシーンから聖火トーチが登場し、式典中も各国選手団紹介と同時にリレーが行われていること▼外国人の著名アスリートが参加ランナーとなる▼100歳のレジェンド金メダリストが登場する――などは近年のケースでは見られず、これも歴史上初めてだった可能性がある。

オリンピックの聖火は現地時間7月26日午後7時30分に始まった開会式式典の冒頭、次のような映像で登場した。

フランスを代表するコメディアンであるジャメル・ドゥブーズさん(49)がトーチを持って、パリ大会では陸上競技などが行われるフランス競技場のゲートを走ってくる。これまでの夏季オリンピックなら、多くの観客が収容できるスタジアムでの開会式が通例だが、パリ大会の会場は、夏季大会では史上初の屋外となるセーヌ川。「誰もいない」「どうしよう」と戸惑うばかりのドゥブーズさんに救世主が現れた。

それが、かつてこのフランス競技場で行われたサッカーW杯で熱狂の渦に包み込んだ張本人の「ジズー」(愛称)こと、ジネディーヌ・ジダンさん。ドゥブーズさんはジダンさんにトーチを渡し、そのジダンさんも最終地点のトロカデロ広場まで急ごうとするが、途中の地下鉄の駅で電車が停車してしまう。

ジダンさんはパリの3人の少年たちにトーチを届けるようお願いする。しかし、その少年たちもセーヌ川が流れる地下通路で行く手を阻まれてしまい、謎のマスクマントマンにトーチを託した。映像はこれで終了し、リアルの開会式会場には、このマスクマントマンと3人の少年たちが現れる。

開会式では、マスクマントマンはセーヌ川東部地点から6キロ先にあるゴール地点のトロカデロ広場までのルート上で何度か登場。式典の演出を手伝った。歴史的建造物の屋根を何度も走ったし、世界的アーティスト、アヤ・ナカムラさんのパフォーマンスにも登場した。